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Moon face

原作: 名探偵コナン 作者: takasu
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呑気にも事情を説明するなりまだ眠たそうに眼をこすりながらシャワー室へと消えて行った年下上司に降谷はなんなんだこいつは、という目を向けずにいられなかった。

しかし本部のデスクに戻った降谷は彼女が置いたのであろう計画表を見て唖然とした。

完璧すぎたのだ。

アジトの見取り図、隠し通路、相手が動く予測パターン、それが何十通りにも考えられていて添えられていたメモには”降谷さんと風見さんで重要そうなところだけ頭に入れてください。ほかにいい案があればご助言おねがいします。”と書かれていた。

降谷「なんて人だ…」

そう呟いた頃に廊下で一緒になったのか風見と美弥妃が一緒に本部に入ってきた。

風見「降谷さん?!今日はいつもに増して早いですね…;」

降谷「あぁ。」

降谷は風見に返事をしながらも美弥妃の方をじっと見つめると彼女の方へとずかずかと近寄った。

「あ、降谷さん、おはようございます」

降谷「髪、まだ濡れているじゃないですか。風邪ひいたらどうするんですか。」

「え?あぁ、でも大体は乾いてるので大丈夫です」

そうは言うが毛先がまだ少し濡れているのを見て降谷は怪訝そうな顔をやめなかった。

降谷「全く…。廊下で寝る、髪は乾ききっていない。もう少し日常生活をきちんとしないと体調崩しますよ。」

降谷の静かなトーンに美弥妃の隣にいた風見はまたこのふたりの様子にヒヤヒヤしていた。


「馬鹿とゴリラは風邪ひかないので大丈夫ですよ」

風見「ゴリラ…?」

…pipipi…

「あ、噂をすればゴリラからだ。ちょっと失礼します。…Langsam……………Was?(ランザン…ヴァス?日本語訳:遅い。…何?)」

美弥妃はドイツ語で電話に出ると廊下に出た。

そしてドイツ語で怒鳴り散らすと美弥妃はバタバタと部屋に戻ってきた。

風見「ど、どうかしたんですか?」

「Du hast mir gesagt, dass ich nicht weiter gehen soll…!(それ以上踏み込むなと言ったのに…!!)」

小声で何か文句を言うと美弥妃は車のキーと拳銃を持つと慌てて出て行った。

降谷「何かあったようだな…風見!」

風見「はい!」

彼女の只ならぬ様子に2人は彼女を追うことにした。

が、彼女の運転は無謀で、流石の降谷でも追いつくことができず、2人は仕方なく本部に戻るしかなかった。しかし2人が戻ってから1時間もたたないうちに廊下が騒がしくなった。

…ガンっ!ドンッ!…

廊下から物音が聞こえるかと思えば男女の怒鳴り声が聞こえた。

「郷に入れば郷に従え!ここは日本よ!あんたも日本人なら日本語喋りなさいよ!!」

?「あーあー!喋ってやるよ!!大体そっちが頼ってきたんだろ?!だいたい俺がいねーと何にもわかんねーくせにそんな態度とっていーのかよ?!」

「ふざけるな!!ここは私の日本よ!!邪魔しないで!!あんたはさっさと知っていることを吐きなさいよ!!この薬品オタク!!」

?「うるせーな!!俺がいないと薬品の種類なんてわからなかったくせによぉ??どーせ日本には大した科学者もいないんだろ?!」

「ハァ?!日本にはあんたよりずっとずっとずぅーっと優秀な科学者なんてごまんといるのよ!!ただ私に友人がいなかっただけよ!!悪い?!」

?「なら友達の少ないかわいそーなお前を手伝ってやった俺に感謝するのが日本の礼儀作法じゃねぇのか!!日本にはオモテナシの心があるんじゃねーのかよ??」

「普通に手伝ってくれないからでしょう?!大体日本に仲間もいないあなた一人で何が出来ると思ってるの?!奴等は拳銃だって密輸してるのよ?!好奇心だけで動いて命を落としたらどうするのよ!!」

?「そんなことするかよ!!俺だってBPOLの一員だ!!」

「昔の話でしょう!!今はただの一般人よ!!少しは大人しくしてなさい!!」

?「断る!!あの薬品は俺の作ってた薬だ!!自分の落とし前は自分でつける!!」

「なんですって…?」

そこまで言ったところでついに降谷が痺れを切らして出て言った。

降谷「何事ですか。矢神さん…ってあなた…!」

その様子を部下達が後ろのドアに隠れるようにして覗き込んでいた。


「今回の件の重要参考人を連れてきました。科学者の鳳和馬です。取り調べ室に行ってきます。煩くしてすみませんでした。」

そう言うと美弥妃は軽く頭を下げて連れてきていた男の腕をひいていこうとしたが降谷にとめられてしまった。

降谷「傷の手当てが先です。一体何があったんですか。こんなに怪我して」

「このクソゴリラと喧嘩しただけです。」

鳳「おい!誰がゴリラだよ!!」

降谷「とりあえず手当てしますからこちらに来てください。君も、何があったか話してもらう。」

鳳「ッチ…」

「大丈夫です。先に彼から詳しい話を聞いてきます。傷は大したことがないので。失礼します。」

そういうと美弥妃男の手をひいて取調室へと消えて行った。

風見「降谷さん…矢神さんはなんと…?」

降谷「俺たちも取調室に行くぞ。」

そういうと降谷は風見を連れて取調室へと向かった。
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