クロスゲーム 甲子園特別編
(一)
「夏の甲子園大会も、最後のひと試合になりました。この試合で、全国一の高校が決定するのです。」
とアナウンサーが、話だしていた。
甲子園は既に、入場が出来ないくらいに大入り満員状態。
多くの観客の目当ては、樹多村光の速球見たさと、4番の東 雄平のホームランを見たいという観客がほとんどと、言っていい状態だった。
ベンチ内では、日本一をかけた高校生活最後の試合が始まる瞬間を待つ選手達が、緊張をほぐすかのように、他愛もない話をしていた。
「樹多村~勝つと俺達、日本一だよな!?」
と1番ショートの千田が光に話しかけた。
「おまえ、緊張してるのか?」
とからかう中西。
「ついに、個々まで、来たんだな」
赤石は考え深く光の肩に手をかけた。東も光の肩に手を置き無言でうなづいていた。
「赤石~今日の相手はどんなチームなんだ?」
と気のないそぶりで、樹多村が赤石に聞いた。
「光、お前は俺のミットめがけて投げ込めばいいだけでいいんだよ。」
と赤石は、マスクを手に光に話した。
「お~い、3年生、最後の試合だ悔いのない野球をやってくれ。」
と勝負にこだわっていれば名将とだったのでは、と言われている前野監督が口を開いた。
「いい夢見せてくれな。」
試合開始のサイレンが甲子園の観客の大観衆の雑音を、一瞬かき消していた。
(二)
試合も中盤から終盤にはいった段階でも。広島県代表 光華高校と星秀学園は0対0の緊迫したゲーム展開になっていた。
一塁側のアルプススタンドでは、1人大声を張り上げてメガホンを振り回しているのが、バックスクリーンの画面に映し出されていた。
青葉である。緊迫したゲームになればなるほど、興奮状態になるのは、北東京大会から既にわかっていたことで、星秀学園名物となっているほどであった。
応援に駆けつけていた、一葉と紅葉は、青葉の姿をみて、赤面している状態。
「青葉ったら・・・興奮すると見境ないからね・・・」
と一葉。
「青ちゃんったら、私、学校の笑い物の決定だよ~」
と紅葉が嘆いていた。
青葉の興奮状態は、ゲーム内容にもあったが、実は、昨晩、宿泊先の民宿の庭で、光が1人で池を眺めていた、光に、青葉が声をかけていた。
「あんた、明日決勝なんだから、ちゃんと寝なきゃだめでしょ!」
「・・・青葉。」
「な・なに、改まって・・・」
「北東京大会で160キロ出すっていってたけど、スコアボードに表示されて無かったから、最後の試合になっちゃたけど、絶対160キロを見せてやる」
その言葉を聞いた、青葉は、若葉が昔言っていた言葉を思い出していた。
「光は、本気になればきっと、日本一のピッチャーになれる!」
青葉の目から一粒の涙が頬をつたった。
「甲子園は大観衆の超満員。ピッチャーは光で、キャッチャーは赤石君。・・・」
「若葉も見に来てるのかな?」
と光が言うと
「あんたの事が心配で見に来てるよ!きっと・・・」
「わかった。寝るよ。おやすみ。青葉」
と光は室内に戻って行った。
青葉は、光の背中を見ながら
「絶対だせよ。」
と呟いていたのである。
そんな、事もあってか、スコアボードに映し出される、スピード表示は、155キロをMAXで160キロには程遠かった。
(三)
頼れる四番の東も、光華高校のピッチャーに、うまくかわされながら、3つのフォアボールで塁には、出る物の、五番・赤石、六番・樹多村はリードとピッチングで精一杯の状態で、東をホームに返す事が出来ない状態だった。
既に回は8回裏の星秀学園の攻撃で、二番・センターの三谷からだった。三谷は青葉と同級生で青葉が、この場所に立てない悔しさを一番しっていた。
「俺がしっかりしなきゃ。月島に顔を合わせられない」
しかし、ガチガチになり過ぎた結果、内野ゴロ。3番の中西はヒットは、打っているが点には結びついておらず、中西も気合いが、から回りで、内野フライ。
四番の東の打席になり、バッターボックスに入ると、相手のキャッチャーが立ちあがった。
敬遠策で五番の赤石との勝負を選んだのだ。
しかし、東は、立ちあがったキャッチャーの予測に反して、バットを振った。次も。
カウントは2ストライク。東は無言で、光華高校のバッテリーに勝負を仕掛けたのだった。
光華バッテリーも監督支持を仰ぎ勝負に。
カキーン!と鋭い当たりと共にボールが左中間のスタンドに吸い込まれていった。
(四)
東のホームランで1点をリードした、最終回の光華高校の攻撃の前に星秀学園の内野陣は、光を中心に円陣を組んだ。
「泣いても笑っても、お前らと野球をやるのは最後だ。気合い入れて行こう。」
と赤石が大声を張り上げた。
「なあ、赤石。力使いきっていいか?」
と光が赤石に行った。
「月島に、160キロ見せてやれ!楽しめ!光」
といいポジションに赤石は戻った。
1球・1球投げるたびにスピード表示を見る光。
その時、アルプススタンドに向かって
「青葉!見せてやるからな!絶対!」
と大声を揚げていた。既に光華高校は2アウトで最後の打者。2ストライク。
「ふぅ」
汗をぬぐう光。最後の球を投げた。
青葉もスタンドからでもわかるほど、本日最高のスピード。
スピード表示は160キロ。
打者は手が出ず。三振。星秀学園が初出場・初優勝を飾った。
抱き合うナインたち。
青葉は席を立ち、光を見つめていた。
(五)
閉会式・インタビューをこなす。光と東達。
それが、終わってやっと休息の時がやって来た。
「お前がいたから、野球が楽しかった。」
と東。
「光、早く行ってやれ!」
光の背中を押した赤石。
その先には、青葉の姿が・・・
「青葉、見たか?160キロ」
涙をこらえてうなずく青葉。
光は優しく青葉抱きしめた瞬間、青葉は大声をあげながら泣きだしたのでった。
「夏の甲子園大会も、最後のひと試合になりました。この試合で、全国一の高校が決定するのです。」
とアナウンサーが、話だしていた。
甲子園は既に、入場が出来ないくらいに大入り満員状態。
多くの観客の目当ては、樹多村光の速球見たさと、4番の東 雄平のホームランを見たいという観客がほとんどと、言っていい状態だった。
ベンチ内では、日本一をかけた高校生活最後の試合が始まる瞬間を待つ選手達が、緊張をほぐすかのように、他愛もない話をしていた。
「樹多村~勝つと俺達、日本一だよな!?」
と1番ショートの千田が光に話しかけた。
「おまえ、緊張してるのか?」
とからかう中西。
「ついに、個々まで、来たんだな」
赤石は考え深く光の肩に手をかけた。東も光の肩に手を置き無言でうなづいていた。
「赤石~今日の相手はどんなチームなんだ?」
と気のないそぶりで、樹多村が赤石に聞いた。
「光、お前は俺のミットめがけて投げ込めばいいだけでいいんだよ。」
と赤石は、マスクを手に光に話した。
「お~い、3年生、最後の試合だ悔いのない野球をやってくれ。」
と勝負にこだわっていれば名将とだったのでは、と言われている前野監督が口を開いた。
「いい夢見せてくれな。」
試合開始のサイレンが甲子園の観客の大観衆の雑音を、一瞬かき消していた。
(二)
試合も中盤から終盤にはいった段階でも。広島県代表 光華高校と星秀学園は0対0の緊迫したゲーム展開になっていた。
一塁側のアルプススタンドでは、1人大声を張り上げてメガホンを振り回しているのが、バックスクリーンの画面に映し出されていた。
青葉である。緊迫したゲームになればなるほど、興奮状態になるのは、北東京大会から既にわかっていたことで、星秀学園名物となっているほどであった。
応援に駆けつけていた、一葉と紅葉は、青葉の姿をみて、赤面している状態。
「青葉ったら・・・興奮すると見境ないからね・・・」
と一葉。
「青ちゃんったら、私、学校の笑い物の決定だよ~」
と紅葉が嘆いていた。
青葉の興奮状態は、ゲーム内容にもあったが、実は、昨晩、宿泊先の民宿の庭で、光が1人で池を眺めていた、光に、青葉が声をかけていた。
「あんた、明日決勝なんだから、ちゃんと寝なきゃだめでしょ!」
「・・・青葉。」
「な・なに、改まって・・・」
「北東京大会で160キロ出すっていってたけど、スコアボードに表示されて無かったから、最後の試合になっちゃたけど、絶対160キロを見せてやる」
その言葉を聞いた、青葉は、若葉が昔言っていた言葉を思い出していた。
「光は、本気になればきっと、日本一のピッチャーになれる!」
青葉の目から一粒の涙が頬をつたった。
「甲子園は大観衆の超満員。ピッチャーは光で、キャッチャーは赤石君。・・・」
「若葉も見に来てるのかな?」
と光が言うと
「あんたの事が心配で見に来てるよ!きっと・・・」
「わかった。寝るよ。おやすみ。青葉」
と光は室内に戻って行った。
青葉は、光の背中を見ながら
「絶対だせよ。」
と呟いていたのである。
そんな、事もあってか、スコアボードに映し出される、スピード表示は、155キロをMAXで160キロには程遠かった。
(三)
頼れる四番の東も、光華高校のピッチャーに、うまくかわされながら、3つのフォアボールで塁には、出る物の、五番・赤石、六番・樹多村はリードとピッチングで精一杯の状態で、東をホームに返す事が出来ない状態だった。
既に回は8回裏の星秀学園の攻撃で、二番・センターの三谷からだった。三谷は青葉と同級生で青葉が、この場所に立てない悔しさを一番しっていた。
「俺がしっかりしなきゃ。月島に顔を合わせられない」
しかし、ガチガチになり過ぎた結果、内野ゴロ。3番の中西はヒットは、打っているが点には結びついておらず、中西も気合いが、から回りで、内野フライ。
四番の東の打席になり、バッターボックスに入ると、相手のキャッチャーが立ちあがった。
敬遠策で五番の赤石との勝負を選んだのだ。
しかし、東は、立ちあがったキャッチャーの予測に反して、バットを振った。次も。
カウントは2ストライク。東は無言で、光華高校のバッテリーに勝負を仕掛けたのだった。
光華バッテリーも監督支持を仰ぎ勝負に。
カキーン!と鋭い当たりと共にボールが左中間のスタンドに吸い込まれていった。
(四)
東のホームランで1点をリードした、最終回の光華高校の攻撃の前に星秀学園の内野陣は、光を中心に円陣を組んだ。
「泣いても笑っても、お前らと野球をやるのは最後だ。気合い入れて行こう。」
と赤石が大声を張り上げた。
「なあ、赤石。力使いきっていいか?」
と光が赤石に行った。
「月島に、160キロ見せてやれ!楽しめ!光」
といいポジションに赤石は戻った。
1球・1球投げるたびにスピード表示を見る光。
その時、アルプススタンドに向かって
「青葉!見せてやるからな!絶対!」
と大声を揚げていた。既に光華高校は2アウトで最後の打者。2ストライク。
「ふぅ」
汗をぬぐう光。最後の球を投げた。
青葉もスタンドからでもわかるほど、本日最高のスピード。
スピード表示は160キロ。
打者は手が出ず。三振。星秀学園が初出場・初優勝を飾った。
抱き合うナインたち。
青葉は席を立ち、光を見つめていた。
(五)
閉会式・インタビューをこなす。光と東達。
それが、終わってやっと休息の時がやって来た。
「お前がいたから、野球が楽しかった。」
と東。
「光、早く行ってやれ!」
光の背中を押した赤石。
その先には、青葉の姿が・・・
「青葉、見たか?160キロ」
涙をこらえてうなずく青葉。
光は優しく青葉抱きしめた瞬間、青葉は大声をあげながら泣きだしたのでった。
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