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ないしょの恋人

ジャンル: 現実世界(恋愛) 作者: 護堂アオイ
目次

第4話「秘密のデート」

 とあるリゾート施設にあるホテル。その一室。
 そこではジュニア・ヌードモデルのイメージビデオの撮影が行われていた。
 監督は、背の高いハンサムな青年である。名前は城戸亮一(きど・りょういち)、フリーの監督であり、プロデューサーでもあった。
 レジャー施設が一望できる大きな窓の前には、ジュニア・ヌードモデルが立ってポーズをとっている。
 ストレートの髪をセミショートにしている少女。白い下着姿であった。
 胸の膨らみはもう乳房と呼んでいいもので、着けているジュニアブラはカップ付きのものである。
 ジュニアブラもパンティも、フロントは赤いリボンで飾られていた。
「じゃあ、アンジュちゃん、まずは下から脱ごうか」
 亮一はジュニア・ヌードモデルである少女の姿を見つめながら言う。
 アンジュ……本名は大西杏樹(おおにし・あんじゅ)、小学5年生で11歳。
 彼女は白いパンティの両端に指を引っかけた。
「カメラに視線向けて、ゆっくりと脱いで」
 監督である亮一に指示され、アンジュは言われたとおりにする。
 アンジュは正面に立っているカメラマンが持っているカメラに視線を向け、可愛らしい顔に笑みを浮かべ、ゆっくりとパンティを下げていく。
 パンティは太腿の半ばまで下げられ、股間が露わになる。アンジュの股間は無毛……少女であることを示すスリットがあるだけであった。
「あ、アンジュちゃん、そのままで後ろを向いて」
 亮一に言われ、アンジュは背中を向ける。お尻はプリンッとしていて、可愛らしい形である。
 肩越しに笑みを浮かべた顔を見せ、お尻を突き出すアンジュ。また、パンティをゆっくりと下げていく。
 両足からパンティを抜いて放り投げ、見せつけるように突き出しているお尻をさらに突き出す。そして、左右に小さく振った。
「じゃあ、次。そのまま後ろ向きで、脚を広げて……」
 亮一は次の指示を出し、アンジュはそれに従う。
 両足を大きく広げるアンジュ。脚と脚の間から笑顔を見せ、右手を無毛の股間へと運ぶ。
 少女の証しであるスリットの左右に、右手の人差し指と中指が触れた。
 そのままアンジュは少しのためらいもなく、スリットを左右にクイッと広げる。綺麗なピンク色の、少女の秘洞が丸見えとなった。
 カメラマンの1人は、アンジュのソコをアップで撮る。
 秘洞をカメラで撮られたり、亮一や他の男性スタッフの視線をソコに浴びても、アンジュは恥ずかしがらない。笑みを浮かべたまま指を動かして、閉じたり開いたりを繰り返す。
 1年もジュニア・ヌードモデルをやっていれば、男性スタッフの視線は気にならなくなっていた。
 しばらくして、亮一は新しい指示を彼女に飛ばす。
 アンジュは股間から手を離すと前を向き、両手を背中の方に回した。ジュニアブラのホックが外される。アンジュはゆっくりと、ジュニアブラを胸から離す。
 彼女の胸の膨らみは、小さいがもう成人型の乳房になっていた。ピンク色の乳首が愛らしい。
 ジュニアブラも放り投げ、アンジュは全裸となった。
 アンジュは窓の前で、さまざまなポーズをとっていく。そして脚を広げ、両手を股間へと伸ばしていく。
 今度は両手の人差し指を使って、スリットを左右に広げた。ピンク色の秘洞をむき出しにして、アンジュは股間を突き出す。
 後ろを向いて突き出したお尻を両手で掴んだかと思うと、やはり少しもためらいことなく、グイッと左右に広げた。
 カメラマンの1人は、お尻の谷間の奧で息づいている、キュッとシワが寄っている小さな穴を撮る。
 お尻の穴を見られても、恥ずかしがらないアンジュ。慣れるというのは、怖いことだと思った。
 デビューしたばかりの自分は、こんなことができるようになるとは予想もしないだろうとも思った。

◇◇◇

 葉月(はづき)には流香(るか)や真理(まり)だけではなく、他のクラスメイトにも内緒にしていることがある。
 彼女たちのクラスには、他のクラスの女子からも人気がある男子生徒がいた。
 ハンサムで、テレビのドラマや映画の子役として出演していてもおかしくない……そう感じさせる、美少年という言葉がよく似合う男子生徒。
 あるマンションの前で、葉月は周囲を見回して知っている顔がいないかどうかを確認する。
 知っている顔はいない……それを確かめると、葉月はマンションの中に入った。

 マンションの10階で、Tシャツにハーフパンツという格好の葉月はエレベーターから降りた。
 部屋の1つのドアの前に立ち、インターホンのボタンを押す。
 すぐにドアは開き、
「ようこそ、葉月」
 と1人の少年が葉月を笑顔で迎えた。葉月と同じ年齢……11歳くらいの、ハンサムという言葉が実に似合う美形の少年だ。
 彼の名は巧実(たくみ)。その容姿から葉月のクラスの女子だけではなく、他のクラスの女子からも人気があった。
 葉月が親友である流香や真理にも内緒にしていること、それは巧実と付き合っていることである。
 流香や真理はあまり巧実に興味がないようだが、他の女子は違う。彼と付き合いたいと思っている子が多い。他のクラスの女子も同じだ。
 そんな人気者である巧実と付き合っている……それを知られたら、どうなるか分かったものではない。
 だから流香にも真理にも、内緒にしていた。巧実の方もそれを分かっているようで、葉月と付き合っていることは誰にも言っていない。
 内緒で秘密の付き合いだ。
 葉月がこのマンションに入る前、周囲に顔見知りがいないかどうかを確認したのも、そのためである。
 巧実が住んでいるマンションに入るところを他の女子に見られたら、何を言われるか分かったものではない。
「はい、これ。来月の、あたしのヌードグラビアが載っている雑誌」
 巧実の自室。ベッドの端に腰を下ろした葉月は、数冊の雑誌……ジュニア・ヌードモデル専門誌を巧実に差し出した。
 学習机の椅子に座った巧実は、「ありがとう」とそれを受け取る。
「こういう雑誌、小学生の俺じゃ買えないし、父さんや母さんに買ってきてくれなんて言えないから、葉月が付き合ってくれてよかったって思うよ」
 言いながら巧美は葉月が写っているページを探した。

 告白をしてきたのは、巧実の方からだ。
 葉月はまさか男っぽい自分が巧実のような人気者である美形の少年から、
「好きだ、付き合ってほしい」
 などと言われるとは思ってもいなかったことだ。
 冗談かなにかかと思った。だが彼は本気だった。
 5年生に進級し、同じクラスになった時から気になっていた……そう巧実は葉月に告げた。
 気になったら、いつの間にか葉月のことばかりを見ていた。見ているだけではなく満足できなくなり、告白することを決め、そして告白をした巧実。
 男っぽい自分なんかとは釣り合わないと葉月は思って断ったが、巧実はそんなことはないと言ってくれた。葉月はとても女の子っぽくて可愛い、と。
 彼が本気だと感じた葉月は、自分がジュニア・ヌードモデルをしていることを打ち明けた。自分のヌードグラビアが載っている雑誌を彼に見せ、こんなことをしていると告げた。
 それでも、巧実の気持ちに変化は無かった。ジュニア・ヌードモデルをしていて、不特定多数の男に裸を披露している……そんなことで葉月を嫌いになったら、彼女の上辺だけを見て好きになったことになる。
 上辺だけで……外見だけで好きになったわけではない。
 流香や真理と楽しそうに話している葉月の姿を見て好きになった。クラスの女子に優しい葉月の姿を見て好きになった。葉月の外見だけでなはなく、内面も好きになった。
 だからジュニア・ヌードモデルをしていようが関係ない。
 好きだという気持ちに変わりはないと巧実は言った。
 本当に自分を好きでいてくれる……葉月も巧実を好きだと感じた。そして付き合うようになった。
「あたしのグラビアがあるページ、どの雑誌も少ないよ。大抵は四ページ」
「四ページもあるなんて、すごいと思うよ。もっとページ数が少ない子もいるんだろう?」
「まあね。二ページだけって子もいるし」
 葉月のグラビアがあるページを見つけた巧実は、食い入るようにそのページを見る。さすがに自分の前で自分のヌードグラビアを見られるのは、気恥ずかしいと葉月は感じた。
「やっぱり葉月が一番可愛いと思う」
「流香の方が可愛いよ。人気も高いし」
「俺としては……西村より葉月の方が可愛く感じる。人気に関しては……あんまり葉月には人気出てほしくないかな」
 巧実のその言葉に葉月は「なんでさ」と問う。
「俺だけの葉月じゃなくなっちゃうから」
 その答えに葉月は顔をわずかに赤く染め、「馬鹿」と小さく返した。巧実はそんな葉月にクスッと笑う。
「これでまた、コレクションが増える」
「コレクション?」
 葉月が首をかしげると、巧実は引き出しから一冊のバインダーを取り出して差し出した。
 受け取り、それを広げる葉月。バインダーに挟まれたクリアファイル、それには雑誌から切り抜かれた葉月のグラビアが差し込まれていた。
「俺の葉月のコレクション」
「こ、これはちょっと恥ずかしいものが……」
「今日もらった雑誌も、葉月のグラビアだけ切り抜いてコレクションするよ」
 バインダーを見て気恥ずかしそうになった葉月を見て、巧実は楽しげな口調で言う。
「どうせコレクションするんだったら、流香にしたら」
 葉月はバインダーを巧実に返しながら言う。
「さっきも言ったけど、西村より葉月の方が可愛いって俺は思っている。俺は葉月一筋だよ。西村のグラビアをコレクションする気はない」
「そう言ってもらえると嬉しいけど……人気は出てほしいよ、あたしは。前に話したでしょう。あたし、将来もヌードモデルやるつもりだし。だから、今のうちに人気が出てほしいんだよねえ」
「将来もヌードモデルやるっていうのは、反対しないよ。けど、やっぱ人気は出てほしくないな」
「いいじゃん。人気ヌードモデルの彼氏……自慢できるよ、巧実」
 葉月のその言葉に巧実は「なるほど」と、うなずく。
「そういう考えもありか」
 巧実と学校の外で会うのは、大抵は彼の家だ。家の中でデート……という感じになる。
 外でデートして学校の誰かに見られたら困るからだ。
 巧実の両親は共働きで、なにかと忙しいらしい。休日もめったに家にいない。今日も彼の両親は留守だ。
 巧実はバインダーを引き出しにしまう。それをしまう引き出しは二重底になっている。
 両親に見られないためにだ。
 葉月からもらった雑誌は彼女のグラビアを切り抜き、学校に向かう途中で破棄する。
 彼女と付き合っていることを、巧実は両親に話していない。ジュニア・ヌードモデルと付き合っていると知ったら、何を言うか分からないからだ。
 巧実は椅子からベッドに移動し、葉月の横に腰を下ろす。
「今度はどんな仕事があるの?」
「流香と一緒に、ジュニア向け下着のカタログのモデル。送られてきたら、巧実にあげるよ」
「うーん、西村との共演か……いらないかも」
「なんでさ?」
「葉月にしか興味がない。俺が見たいのは葉月の姿だけだから」
 その言葉に、葉月はまた顔を赤くさせる。
「よくもまあ、そういう言葉をさらりと言えるね」
「本当のことだからね」
 笑顔とともに言う巧実。葉月は嬉しいような照れたような、複雑な表情を彼に返した。
 そんな表情の葉月の耳元に、巧実は口を寄せる。
「ねえ」
 そして、ささやく。
「今日もまた見せてよ、葉月の裸。写真や映像ディスクだけじゃ満足できない」
 ささやかれた葉月は、仕方がないなと言いたげな表情で、「いいよ」と返事をした。
「ただで裸を披露するなってマネージャーには言われているけど」
 言いながら葉月は立ち上がり、巧実の前に立つ。
「巧実なら特別。こういう特別なことするの、巧実にだけだよ」
「嬉しいね。俺だけの特別って。付き合っている特権だね」
「そ、特権」
 葉月は言いながらTシャツをスルリと脱ぐ。その下にはタンクトップを着ており、葉月はそれも脱いで、上半身裸となった。
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