31
宇髄「嫁達に派手に土産も買って帰らねぇとな!」
各々にわざとらしくならないように言い訳を考えて彼女との交流を深めようと街で寄り道をする理由をつけた。
しのぶ「丁度お茶の時間ですし。」
無一郎「連れてってよ」
そういって無一郎は上目遣いで彼女を見ながら彼女の服の裾を掴んで軽く引っ張った。
不死川「行くかァ」
不死川はおはぎも気になっているようだが。
「で、では…案内します…」
そう言うとゆりえはおずおずとみんなの前を歩き出した。
甘味処主人「ゆりえちゃんや!おや!やっとお友達と来れたんだな!よかった!今日はなんでも揃ってるよ!」
「あ、お友達というか…鬼狩りの上司に当たる方々で…」
主人「あれ?前に話していたここに連れてきたいって言ってた人達じゃないのかい?」
「あ、そうなんですけど…」
甘味処奥さん「ちょっと!アンタ、困ってるじゃないの!ほら!さっさと案内して!」
主人「あ、あぁ!悪かったね!さ、好きな席にお座り!」
「ありがとうございます。…皆さん、お好きな席へどうぞ…」
そう言ってゆりえは道をあけたもので、このままでは外で待つと言い出しかねないと思った柱達はゆりえを押し込むように店に入り、しのぶと甘露寺で両端から腕を組み逃げられないようにして席についた。
「あ、の…」
甘露寺「ゆりえちゃんはわらび餅よね!私は桜餅10人前!」
しのぶ「では、わたしも蕨餅を。」
煉獄「うむ!俺は大学芋を貰おう!」
宇髄「んじゃ、みたらし団子にすっかな。」
無一郎「じゃあ俺も。」
不死川「おはぎ。」
そしてあれよあれよと注文され自分の分まで目の前に出されたゆりえは戸惑っていた。
甘露寺「ほら!ゆりえちゃんも食べて!すっごく美味しいわよ!」
「でも…」
しのぶ「まぁまぁ、一口だけでも。」
そう言われて恐る恐る口に運んだわらび餅は甘くて懐かしい気分になった。
「美味しい…」
そう言ったゆりえの目からは涙がポロポロとこぼれ落ちた。
不死川「ど、うしたァ…?!」
甘露寺「ゆ、ゆりえちゃんん?!」
「申し訳ありません。醜い姿を…。なんだか、懐かしい気がして…。」
羽織の袖で涙を拭うとまたわらび餅を食べはじめた。
そんな姿を柱達は眉を下げて見守っていた。
甘味処ではその後甘露寺を筆頭に何気ない世間話がはじまり、その様子をゆりえはただおだやかに見守っていた。
「女将さん、有難うございました。とても美味しかったです。」
女将「いいんだよ!また来ておくれ!えっと…鬼殺隊の皆さんと!」
「はい。ありがとうございます。」
そう言ってゆりえは多すぎるほどのお金を女将さんに渡した。
女将「多すぎるよ!」
「いえ、いきなり大人数で押しかけてしまいましたし…それにまだこのお店の裏の修理のお手伝いに来ていないので…」
女将「裏口のこと知ってたのかい?そんなこといいんだよ!ただでさえこの村がここまで復興するのにゆりえちゃんの力を借りすぎているくらいなんだからね?」
「とんでもないです。皆さんのお力ですよ。まだまだ大きく破損しているところから直さないといけないので…後回しになってしまいます…。先に大将に直して貰わないといけなくなるかもしれませんし…これで木材を仕入れてください。…私にはこれくらいしかできないので…」
女将「ゆりえちゃん…。本当、いつもありがとうねぇ…」
そう言う女将は少し涙ぐんでいた。
そんな様子に自分達が代金を払おうとしていた柱達は近寄ろうとした足を止めた。
女将「たまには自分の着物もつくったらどうだい?」
「私は…これで十分です。」
女将「でも、村の人達に新しい着物を作ってばかりでいつも自分のことは後回しだろう?…この着物だってゆりえちゃんが作ってくれてこんなに綺麗なのに….自分の着物はボロボロじゃないかい…」
「皆さんが元の生活ができることが一番です。…では、ごちそうさまでした。」
そう言って女将に深々と頭を下げたゆりえにつられ少し離れたところにいた柱達も頭を下げてご馳走様と言うとゆりえと一緒に甘味処を後にした。
「皆さんはこの後何かご予定はありますか?」
甘露寺「特に何も決めてなかったわ!」
「なら先に宿に戻って頂けますか?もう湯浴みや食事の用意ができている頃かと思いますので…」
不死川「ゆりえはどうすんだァ?」
「私はまだやる事がありますので…」
無一郎「やる事って、何。」
「まだ修復が終わっていない建物がありますのでそちらを手伝いに行きます。」
甘露寺「なら私も行くわ!」
煉獄「うむ!そうしよう!」
「ですが、皆様日頃から鬼狩りで疲れていらっしゃる上に…今日はお客様ですし…」
宇髄「なーに言ってんだ!ゆりえも日頃から鬼狩りしてんだろ!」
「私は、その、皆様と違って弱い鬼を相手にしていますし…」
しのぶ「いけませんよ。まだ傷も治ってない人が無理しないでください。」
不死川「とっとと片付けてゆりえも休めばいいだろォ。」
無一郎「早く行こうよ。」
そして柱達は無理矢理ゆりえについて行くことにした。
各々にわざとらしくならないように言い訳を考えて彼女との交流を深めようと街で寄り道をする理由をつけた。
しのぶ「丁度お茶の時間ですし。」
無一郎「連れてってよ」
そういって無一郎は上目遣いで彼女を見ながら彼女の服の裾を掴んで軽く引っ張った。
不死川「行くかァ」
不死川はおはぎも気になっているようだが。
「で、では…案内します…」
そう言うとゆりえはおずおずとみんなの前を歩き出した。
甘味処主人「ゆりえちゃんや!おや!やっとお友達と来れたんだな!よかった!今日はなんでも揃ってるよ!」
「あ、お友達というか…鬼狩りの上司に当たる方々で…」
主人「あれ?前に話していたここに連れてきたいって言ってた人達じゃないのかい?」
「あ、そうなんですけど…」
甘味処奥さん「ちょっと!アンタ、困ってるじゃないの!ほら!さっさと案内して!」
主人「あ、あぁ!悪かったね!さ、好きな席にお座り!」
「ありがとうございます。…皆さん、お好きな席へどうぞ…」
そう言ってゆりえは道をあけたもので、このままでは外で待つと言い出しかねないと思った柱達はゆりえを押し込むように店に入り、しのぶと甘露寺で両端から腕を組み逃げられないようにして席についた。
「あ、の…」
甘露寺「ゆりえちゃんはわらび餅よね!私は桜餅10人前!」
しのぶ「では、わたしも蕨餅を。」
煉獄「うむ!俺は大学芋を貰おう!」
宇髄「んじゃ、みたらし団子にすっかな。」
無一郎「じゃあ俺も。」
不死川「おはぎ。」
そしてあれよあれよと注文され自分の分まで目の前に出されたゆりえは戸惑っていた。
甘露寺「ほら!ゆりえちゃんも食べて!すっごく美味しいわよ!」
「でも…」
しのぶ「まぁまぁ、一口だけでも。」
そう言われて恐る恐る口に運んだわらび餅は甘くて懐かしい気分になった。
「美味しい…」
そう言ったゆりえの目からは涙がポロポロとこぼれ落ちた。
不死川「ど、うしたァ…?!」
甘露寺「ゆ、ゆりえちゃんん?!」
「申し訳ありません。醜い姿を…。なんだか、懐かしい気がして…。」
羽織の袖で涙を拭うとまたわらび餅を食べはじめた。
そんな姿を柱達は眉を下げて見守っていた。
甘味処ではその後甘露寺を筆頭に何気ない世間話がはじまり、その様子をゆりえはただおだやかに見守っていた。
「女将さん、有難うございました。とても美味しかったです。」
女将「いいんだよ!また来ておくれ!えっと…鬼殺隊の皆さんと!」
「はい。ありがとうございます。」
そう言ってゆりえは多すぎるほどのお金を女将さんに渡した。
女将「多すぎるよ!」
「いえ、いきなり大人数で押しかけてしまいましたし…それにまだこのお店の裏の修理のお手伝いに来ていないので…」
女将「裏口のこと知ってたのかい?そんなこといいんだよ!ただでさえこの村がここまで復興するのにゆりえちゃんの力を借りすぎているくらいなんだからね?」
「とんでもないです。皆さんのお力ですよ。まだまだ大きく破損しているところから直さないといけないので…後回しになってしまいます…。先に大将に直して貰わないといけなくなるかもしれませんし…これで木材を仕入れてください。…私にはこれくらいしかできないので…」
女将「ゆりえちゃん…。本当、いつもありがとうねぇ…」
そう言う女将は少し涙ぐんでいた。
そんな様子に自分達が代金を払おうとしていた柱達は近寄ろうとした足を止めた。
女将「たまには自分の着物もつくったらどうだい?」
「私は…これで十分です。」
女将「でも、村の人達に新しい着物を作ってばかりでいつも自分のことは後回しだろう?…この着物だってゆりえちゃんが作ってくれてこんなに綺麗なのに….自分の着物はボロボロじゃないかい…」
「皆さんが元の生活ができることが一番です。…では、ごちそうさまでした。」
そう言って女将に深々と頭を下げたゆりえにつられ少し離れたところにいた柱達も頭を下げてご馳走様と言うとゆりえと一緒に甘味処を後にした。
「皆さんはこの後何かご予定はありますか?」
甘露寺「特に何も決めてなかったわ!」
「なら先に宿に戻って頂けますか?もう湯浴みや食事の用意ができている頃かと思いますので…」
不死川「ゆりえはどうすんだァ?」
「私はまだやる事がありますので…」
無一郎「やる事って、何。」
「まだ修復が終わっていない建物がありますのでそちらを手伝いに行きます。」
甘露寺「なら私も行くわ!」
煉獄「うむ!そうしよう!」
「ですが、皆様日頃から鬼狩りで疲れていらっしゃる上に…今日はお客様ですし…」
宇髄「なーに言ってんだ!ゆりえも日頃から鬼狩りしてんだろ!」
「私は、その、皆様と違って弱い鬼を相手にしていますし…」
しのぶ「いけませんよ。まだ傷も治ってない人が無理しないでください。」
不死川「とっとと片付けてゆりえも休めばいいだろォ。」
無一郎「早く行こうよ。」
そして柱達は無理矢理ゆりえについて行くことにした。
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