20
「ありがとうございました。」
炭次郎「いえ!俺たちの方がお世話になってしまって、ありがとうございます!」
「ねずこさんもお目覚めになられましたらよろしくお伝えください。」
炭次郎「はい!」
善逸「怪我は…大丈夫?」
「はい、お陰様で」
猪之助「ホワホワ…」
カナヲ「ま、また来てもいいですかっ」
「皆さんさえよろしければいつでも。鎹烏を飛ばしていただければ準備しておきますので。」
そうして穏やかに皆さんをお見送りしました。
いつぶりでしょうか。とても体がすっきりしています。けれど何か私は忘れているような気もします。
昨日皆様のおかげで十分すぎる休息をしたので今日の鍛錬はいつもより厳しくしなければなりませんね。
私はそう思い刀を持って山に向かいました。
あれから一月程私は山に篭って鍛錬に励みました。
流石に身体が限界を迎え始めたので仕方なく山を下りました。
自宅まであと少しというところで私の心臓が悲鳴を上げました。
膝から崩れ落ちて今にももろびでそうな頭のする心臓のあたりを握り締めました。
外傷は心臓には見当たらないのにどうしてでしょうか。
このままでは意識が飛びそうです。
いつもの担当で足を刺して意識をなんとか保ちましたがもう体に力がはいりません。
どうしたことでしょう。
嗚呼、私はやはり弱い。
だから誰からも必要とされず邪魔だと扱われるのでしょう。
なんと哀れなんでしょうか。
ひとまず落ち着くまでここにいたいですが今は日中。
人目についてしまってはなんと言われてしまうことか。
私は血反吐を吐きながら地面を這いつくばって自宅を目指しました。
ただ無心に。意識があるのかもないのかもわからないほどですが手と足をただ義務のように動かし続けました。
そんな時誰かに見つかってしまい、肩をトントンとされた気がします。
嗚呼、こんな哀れな姿…
「見な…で…くださ…」
声はどうやって出していたのでしょう。
私から出た声は醜くかすれていました。
こんな声を聞かせてしまい…
「申し…け…あり…せ…」
玄弥「どうしたんですか?!」
ふわりと抱き上げられてしまいました。
誰でしょう。
「捨てて…くださ…申…け…あ…」
私はまた意識が飛んでしまうようです。
玄弥side
兄ちゃんと話がしたくて柱のお屋敷がところどころにある場所まで連れてきてもらったものの、兄ちゃんに追い返されて、どうしたものかと歩いている時だった。
血の跡が引きずられたような跡で嫌な予感がしてそれを辿っていたらその血の主であろう人が地面でゆっくり動いていた。
動けないほどの大怪我を負っているのかもしれない。
そう思って慌てて駆け寄るとその人は謝り続けていた。
どうしてだろう。
それにこの人は…髪の色こそ違うけれど月柱の人じゃないか…?
しのぶさんの所に連れて行こうと抱き上げると整ったくちびるからは血が溢れていた。
外傷はなさそうなのに…流行病かもしれない。
急がないと。
そう思って走り出そうとすると向こうから兄ちゃんが歩いてくるのが見えた。
玄弥「にいちゃん!」
俺がそう叫んだからか、それとも腕の中の人に見覚えがあるからか、にいちゃんはすぐに駆け寄ってくれた。
実弥「ゆりえェ!」
玄弥「この人、外傷はそんなにないのに倒れてて…!流行病かもしれない!どうしようっ…!」
にいちゃんは狼狽る俺の腕からその人を優しく抱き上げると「屋敷に連れて行くぞォ。」と言って走り出した。
俺は頷いてその後を追った。
にいちゃんの屋敷に着くとゆっくりとその人を降した。
そして手際良く布団を敷くとその人を優しく布団に寝かしていた。
実弥「玄弥ァ。胡蝶を呼んできてくれ。すぐにだ。」
玄弥「あ、うん!」
俺はそう言われて急いでしのぶさんの屋敷に向かった。
そして急いで事情を話すとしのぶさんはすぐについてきてくれた。
しのぶ「不死川さん!ゆりえさんはどこに?!」
実弥「こっちだァ!」
ゆりえの眠る姿をみたしのぶは急いで駆け寄った。
そして手際よく注射をうつもその顔は曇っていくばかりだった。
しのぶ「やっぱり…」
不死川「どうしたァ…こいつ、どっか悪いのかァ」
しのぶ「薬が効かないんです…以前は少しは効く薬もあったのですが…」
玄弥「あの…。」
実弥「なんだァ」
玄也「いや…」『勝手に言っていいのかな…でも…』
しのぶ「玄弥くんは何か知っているんですか?」
玄弥「2週間前くらいに炭次郎達にあったんですけど、そのとき月柱様のはなしをしてて…食事もとらず鍛錬ばかりしてたみたいで、炭次郎は部屋からしのぶさんのお屋敷より沢山の種類の薬品の匂いがしたって…それに、その人からも…」
しのぶ「っ…」
実弥「そんなにどっか悪くて薬飲んでんならあいつの屋敷に行けば薬があるかもしれねぇってことかァ?!」
玄弥「あっ、いや…」
しのぶ「恐らくないでしょう。」
実弥「何故だァ」
しのぶ「ゆりえさんは以前から自分に毒の耐性をつけようとしていました。…でも…まさかこんなにたくさんの種類の毒を摂取していたなんて…」
炭次郎「いえ!俺たちの方がお世話になってしまって、ありがとうございます!」
「ねずこさんもお目覚めになられましたらよろしくお伝えください。」
炭次郎「はい!」
善逸「怪我は…大丈夫?」
「はい、お陰様で」
猪之助「ホワホワ…」
カナヲ「ま、また来てもいいですかっ」
「皆さんさえよろしければいつでも。鎹烏を飛ばしていただければ準備しておきますので。」
そうして穏やかに皆さんをお見送りしました。
いつぶりでしょうか。とても体がすっきりしています。けれど何か私は忘れているような気もします。
昨日皆様のおかげで十分すぎる休息をしたので今日の鍛錬はいつもより厳しくしなければなりませんね。
私はそう思い刀を持って山に向かいました。
あれから一月程私は山に篭って鍛錬に励みました。
流石に身体が限界を迎え始めたので仕方なく山を下りました。
自宅まであと少しというところで私の心臓が悲鳴を上げました。
膝から崩れ落ちて今にももろびでそうな頭のする心臓のあたりを握り締めました。
外傷は心臓には見当たらないのにどうしてでしょうか。
このままでは意識が飛びそうです。
いつもの担当で足を刺して意識をなんとか保ちましたがもう体に力がはいりません。
どうしたことでしょう。
嗚呼、私はやはり弱い。
だから誰からも必要とされず邪魔だと扱われるのでしょう。
なんと哀れなんでしょうか。
ひとまず落ち着くまでここにいたいですが今は日中。
人目についてしまってはなんと言われてしまうことか。
私は血反吐を吐きながら地面を這いつくばって自宅を目指しました。
ただ無心に。意識があるのかもないのかもわからないほどですが手と足をただ義務のように動かし続けました。
そんな時誰かに見つかってしまい、肩をトントンとされた気がします。
嗚呼、こんな哀れな姿…
「見な…で…くださ…」
声はどうやって出していたのでしょう。
私から出た声は醜くかすれていました。
こんな声を聞かせてしまい…
「申し…け…あり…せ…」
玄弥「どうしたんですか?!」
ふわりと抱き上げられてしまいました。
誰でしょう。
「捨てて…くださ…申…け…あ…」
私はまた意識が飛んでしまうようです。
玄弥side
兄ちゃんと話がしたくて柱のお屋敷がところどころにある場所まで連れてきてもらったものの、兄ちゃんに追い返されて、どうしたものかと歩いている時だった。
血の跡が引きずられたような跡で嫌な予感がしてそれを辿っていたらその血の主であろう人が地面でゆっくり動いていた。
動けないほどの大怪我を負っているのかもしれない。
そう思って慌てて駆け寄るとその人は謝り続けていた。
どうしてだろう。
それにこの人は…髪の色こそ違うけれど月柱の人じゃないか…?
しのぶさんの所に連れて行こうと抱き上げると整ったくちびるからは血が溢れていた。
外傷はなさそうなのに…流行病かもしれない。
急がないと。
そう思って走り出そうとすると向こうから兄ちゃんが歩いてくるのが見えた。
玄弥「にいちゃん!」
俺がそう叫んだからか、それとも腕の中の人に見覚えがあるからか、にいちゃんはすぐに駆け寄ってくれた。
実弥「ゆりえェ!」
玄弥「この人、外傷はそんなにないのに倒れてて…!流行病かもしれない!どうしようっ…!」
にいちゃんは狼狽る俺の腕からその人を優しく抱き上げると「屋敷に連れて行くぞォ。」と言って走り出した。
俺は頷いてその後を追った。
にいちゃんの屋敷に着くとゆっくりとその人を降した。
そして手際良く布団を敷くとその人を優しく布団に寝かしていた。
実弥「玄弥ァ。胡蝶を呼んできてくれ。すぐにだ。」
玄弥「あ、うん!」
俺はそう言われて急いでしのぶさんの屋敷に向かった。
そして急いで事情を話すとしのぶさんはすぐについてきてくれた。
しのぶ「不死川さん!ゆりえさんはどこに?!」
実弥「こっちだァ!」
ゆりえの眠る姿をみたしのぶは急いで駆け寄った。
そして手際よく注射をうつもその顔は曇っていくばかりだった。
しのぶ「やっぱり…」
不死川「どうしたァ…こいつ、どっか悪いのかァ」
しのぶ「薬が効かないんです…以前は少しは効く薬もあったのですが…」
玄弥「あの…。」
実弥「なんだァ」
玄也「いや…」『勝手に言っていいのかな…でも…』
しのぶ「玄弥くんは何か知っているんですか?」
玄弥「2週間前くらいに炭次郎達にあったんですけど、そのとき月柱様のはなしをしてて…食事もとらず鍛錬ばかりしてたみたいで、炭次郎は部屋からしのぶさんのお屋敷より沢山の種類の薬品の匂いがしたって…それに、その人からも…」
しのぶ「っ…」
実弥「そんなにどっか悪くて薬飲んでんならあいつの屋敷に行けば薬があるかもしれねぇってことかァ?!」
玄弥「あっ、いや…」
しのぶ「恐らくないでしょう。」
実弥「何故だァ」
しのぶ「ゆりえさんは以前から自分に毒の耐性をつけようとしていました。…でも…まさかこんなにたくさんの種類の毒を摂取していたなんて…」
※会員登録するとコメントが書き込める様になります。