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いと哀れなり

原作: その他 (原作:鬼滅の刃) 作者: takasu
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私がよければ今この攻撃は風柱様に当たってしまいます。

しかしよけなければ攻撃が全面的に的中してしまう…重傷はまぬがれないでしょう…

大丈夫です。痛みならもうあまり感じなくなりましたので。

私は正面から攻撃を受けてすっ飛ばされて、近くの木に叩きつけられました。

不死川「矢神ィ!」

しかし私はこれしきのことで倒れてはいられません。

無理矢理体を動かして鬼舞辻に重傷を負わせることのできる呼吸を使いました。

無惨の身体は半分ほど再生が滞っています。

暫くすれば戻るでしょうが、日の出までの時間を考えると無惨がこのままここに留まることはないでしょう。

無惨「何だお前は…っぐっ…」

「あなたならすぐに再生してしまうでしょうけど、日の出までの時間を考えるとここで引いて頂きたいです。今の私に勝ち目はありません。」

無惨「戯けが…!」

すると無惨は爆弾のようなものを残し私はとても遠くに飛ばされて全身を地面に打ち付けてしまいました。
飛ばされる途中で無惨が逃げ帰るのが見えたので恐らく2人は大丈夫でしょう。
しかしここから歩いて風柱様達の所に向かうのには少し無理かもしれません。
クロに手紙を預けることにしました。

クロ「マッテロ!隠をヨンデクル!ガンバレ!ダイジョウブダ!」

「私のことはいいから、その手紙を2人に届けて…」

クロ「ナゼアンナヤツラヲ大事ニスル?!」

「私よりはるかに役に立つ立派な人だよ…」

クロ「キライダ!キライダ!ユリエがコンナニナッテルノハアイツラノセイダ!アンナヤツラノトコロニイククライナラユリエトイル!」

「クロは私に優しいね…ありがとう…。でも、そんなこと言わないで…これは任務だから…」

クロはなかなか私から離れようとはしてくれませんでしたが急いでもらいました。


愛「矢神さんどこ行っちゃったんだろ…あっ!不死川さん血が出てますっ!止血しなきゃっ!」

不死川「あァ…」『何故だァ。愛はいくら何でも弱すぎる。それに比べて…何だこの違和感はァ…』

2人がそんな会話をしている時だった。

クロ「カァ!カァ!…オマエラ!!クソゥ!カァ!」

泣きながら飛んできたゆりえの鎹烏が手紙を2人に届けた。

"本日もご迷惑をおかけして申し訳ありません。私は思ったよりも遠くに飛ばされてしまいました。お二人と合流するのは難しそうなので本日の任務の報告書はお二人の名前で提出してください。お任せすることになってしまい申し訳ありません。大したケガはしておりませんので、隠の方は呼ばなくて大丈夫です。お二人の手当てだけしていただいてください。"

そう書かれた手紙と署名欄だけ開けられた報告書が同封されていた。

愛「よかったぁ!無事みたいですねぇっ!じゃあ私達は宿に戻りましょう!」

愛柱のその言葉にクロが反応した。

クロ「カァ!無事ジャナイ!無事ジャナイ!ユルサナイッ!オマエラヲ絶対二許サナイ!」

そう言い残してクロは飛んでいってしまった。

愛「えっ、今の何…?怖いよ…不死川さん…」

不死川「愛ィ。お前、矢神の任務もやってるんだったよなァ?」

愛「えっ?急にどうしたんですか?」

不死川「愛ィ。お前、本当にあいつにいじめられてるのは本当かァ?」

愛「っ…!ほ、ほんとですっ!昨日だって矢神さんのかわりに任務にっ…」

不死川「嘘つくんじゃねェ!」『昨日もだと…?あいつは確実に任務に行った後だった。クソっ…気付けなかったァ…』

愛「ひぃっ!」

物凄い剣幕で睨まれた愛は腰を抜かしてその場にへたり込んだ。

不死川「宿に戻るなら一人で戻ってろォ。」

不死川はそう言ってクロが飛んでいった方向に走り出した。


不死川はゆりえを見つけた所で言葉を失った。

血が頭から大量の流れ出ていて、攻撃を受けたときに敗れたのか隊服の下から見える腕や脚、腹は酷く痩せ細っていて、おまけに古い傷から新しい傷でいっぱいであらゆるところから血が出ていた。
彼女の周りは血溜まりが出来ていた。

そんな彼女のもとに隠の一人も見当たらず、いるのは鎹烏だけだった。

クロ「オキロッ!ユリエ!オキロッ!イマダレカヨンデキテヤル!シヌナ!」

「大丈夫、死な…ないよ…それ…に…もし、死んでも…誰も困らない…から…大丈…夫…」

クロ「ソンナコトイウナ!オレガコマル!ガンバレ!」

「私が死んだら…皆…喜ぶかな…」

クロ「イヤダ!俺ハ寂シイ!…………ナンダオマエ!ナニシニキタ!」

「クロ…?誰か来たの…?」

そう言って起き上がろうとした彼女はゲホゲホと咳き込んでは吐血し、なかなか起き上がれなかった。

不死川「俺だァ。」

しかしゆりえに声は聞こえていないのか、クロに「鬼なら早く逃げて」と言うばかりだった。

不死川はゆりえの元まで歩くと軽々とゆりえを抱き上げた。

「誰っ…降ろしてくださいっ…」

不死川はあまりに軽すぎる腕の中の彼女に奥歯を噛み締めた。

不死川「悪かったなァ…」

そう言って彼女の顔を見ると片目を失った彼女と目が合ってしまった。

不死川「!!お前、その目どうしたァ?!」

「えっ…」
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