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若様の優雅なインペルダウン生活

原作: ONE PIECE 作者: 茶木代とら
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ドフラミンゴの日記 その16

×月×日
今日は朝から看守の3人が、人事院の面談のことでグダグダ言っていた。
なんでも、新しい休暇制度のための面談らしいのだが、3人は面談なんか受けたくないらしい。

昼過ぎに、バーティの野郎が非番のくせに監獄に来やがった。奴はペラムと面談の順番のことでしばらく話しをした後、面談に対する不満をズラズラ並べ、さらには不信感まで表明した。

「今まで一度も面談なんてなかったのに、どうしていきなりやるなんて言ってきたんだろう…。何だかちょっと怪しい…」
「えっ、どんなところがですか?!」
ペラムは驚いたようだった。

「だって、休暇制度なんて面談なんかしなくても作れるじゃないか。取って付けたような理由だと思わないか?」
「う、う~ん。そう言われてみればそうなのかも…」
「ダイニングルームの改装がかなり予算オーバーしたから、その分を誰かをリストラして穴埋めしようとしているとか…」

「えええぇっ!!」
ペラムは衝撃を受けたようだった。

バーティは真面目ったらしい顔で、持論を展開した。
「まずいな。あまりに高価なピアノをねだり過ぎたかもしれない…。今からでも自分で出すことにしたほうがいいかな…」
「わ、私が買った風景画はタダです!」
「うん、ペラムはよくやったよ。良い絵ばかりだし、もしもちゃんとした値段で買っていたら、かなりの額になっていただろうね」
「リ、リストラだなんて…、どうしよう…」
「カスターさんもシャンデリアを自分好みのものに新調したし、絨毯も結構良いものを買ったみたいだし。花瓶もこれを機に何個か買ったって言ってた。う~ん、総額で一体いくらなんだろう…」
「リストラされなくて済むように弁償しましょう弁償しましょう…」
「参ったなあ。貯金で足りるかなあ…」

こいつらの話しを耳に入れながら、心配すべきポイントがずれているのではないかと思ったが、口には出さなかった。

世界政府の中央から本当の目的を隠して人間が来ると仮定し、かつターゲットがこいつらの場合、署長でも立ち入れない話しをしに来るに決まっている。つまり、ペラムが行方不明になった時のことではないだろうか。

もしそうなら、一番のターゲットはやはり当事者のペラムだろうか。父親が感情的にいまだに収まっていなくて、何かいちゃもんを付けたのかもしれない。または、まさかとは思うが、画商がどっかに賄賂でも渡して、何か仕掛けようとしているのか。

カスターとバーティがターゲットという可能性も十分にある。この二人はあの時、おれをインペルダウンから出している。おれが外にいるところを、海軍か何かに見られていてもおかしくない。

ただ、ペラムとバーティがどういう種類の人間なのか、だいたい分かったからには、おそらくそんなに心配することはないのだろう。…多分だが。
カスターのことは何も聞いていないが、奴も二人と同じ種類の人間なのだろうか。

ダイニングルームの改修工事は、あと数日で終わるらしい。やりたい放題の3人が、思うがままに作ったダイニングルームがやっとでき上る。


×月×日
今朝、カスターもバーティ同様に見当違いのところを懸命に心配していることが分かった。

奴は真面目な顔で「バーティはああ言っていますが、私の考えはちょっと違います」と言ってきた。

「ほう?お前はどう思っているんだ?」と先を促すと、奴はなんと、
「もしかしたら、職員の間で横行している賭けマージャンのことではないかと…」
と、まるで罪を告白するかの如くの表情で答えた。

「賭けマージャンだ?」
こいつらはどこまで呑気なのだろう。こいつとバーティにはもっと重大な余罪があるし、ペラムは法律では絶対勝てねえ相手から睨まれている可能性だってあるというのに。

カスターは、しかし実際には賭けマージャンがバレて辞めさせられた役人も世の中には存在するなどとウダウダ話していたが、あまりのアホらしさに、心配するなら別のところを心配したほうがいいと言ってやった。しかし、ピンとこなかったようだ。

10時からの看守はバーティだったが、奴は新たな懸念材料を捻出していた。
「普段着ている制服が支給されたものでないのがバレたのでは…。支給されるものは仕立てがいまいちなので、腕の良い職人に別に仕立てさせたのです。細部が微妙に違うから勘付かれたのかな…」

そして、ついにペラムまでおかしなことを言い出した。こいつも今日は非番のくせに、わざわざバーティのところに話しをしにやって来た。
「食事の時に出るワインが好みでなかったので、担当者に袖の下を渡して銘柄を替えさせたのです…。それが今になって問題になってるのかも…」

こいつらはこんなことしか心配する気がねえとしか思えねえ。


×月×日
面談の日が決まったらしい。しかし、ダイニングルームに絨毯やシャンデリアを入れる日と重なるとかで、工事のほうを1日遅らせたらしい。
ダイニングルームの完成がまた遅れたが、しょうがねえんだろう。


×月×日
人事院の連中が乗った船が途中で壊れて、到着が1日遅れるらしい。ダイニングルームの工事の日とまたぶつかってしまったので、さらに1日ずらしたらしい。またダイニングルームの完成が遅れた。
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