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神様はアタシの胸に

ジャンル: ロー・ファンタジー 作者: 山科
目次

第23話


「貴女に言われた、あの一言。『んな小さなチ○コを見て誰が興奮するか! 女が喜ぶのは、もっと大きなチン○だっつうの!』というもの」
「……飛鳥。お前、そんなこと言ったのか」
「……うるせえ」
「ともかくです。最初はショックでしたが、牢屋に入っている時からじわじわと私の中を犯していったのです」
 熱く語る変態。
 コイツ駄目だ。早くなんとかしないと!
「私は理解しました。奈々子様に罵られるのも確かに気持ちいい。だが、貴女に罵られるのは、もっと気持ちいいということに!」
「気持ち悪っ!」
「おふう……き、きもちいいぃ~」
「飛鳥……お前が遠くに行ってしまった気がするよ」
「やめろよ! あたしは正常だよ! 変わってないよ!」
「昔から変態ってことか? ……悪い、幼馴染みなのに、気が付かなかった」
「だからちげえっての!」
「……ともかくです。私は、貴女を助けに来たんですよ」
 百の白子を呼び出す変態。
 呼び出された百の白子は、あたしと涼太を縛っていた水の触手を、切っていく。
 あたしがどれだけ足掻いても切れなかったのに、こんなに簡単に切ることができるなんて。
 この人形、かなりの力を持っているのかな?
「へえ……裏切るの? アダムさん」
 人形に切られた、あたしたちを縛っていた水を再び集結させて、大きな水の塊をつくりながら、智がそう問いかける。
「ええ。私は、自分の欲望に忠実なのでね」
「ふうん……なら、容赦しないよ?」
「ふふ。貴女では、私を満足させることなどできないと思いますけどね」
「……舐めないでよね」
 とにもかくにも、智と対峙する変態。
「行くよ!」
 智が変態に向かって駆け出す。
 戦闘開始。
「攻める水!」
 無数の水の触手を創り、それを変態めがけて放つ。
 変態は、ポケットから縮れた毛を取り出し、それを宙に放る。
 百の白子。変態の能力によって、それは人型へ変わっていった。
 人型に変わった縮れ毛が、智の放った水の触手を防ぐ。
「甘いよ!」
 ウエストポーチからペットボトルを取り出し、それを投げる。
 床に落ちたペットボトルから、水が飛び散った。
「はっ!」
 その水は、職種の形になり、足元から変態を攻撃する。
「ふむ……甘いのは貴女です」
 変態は身一つ動かさず、ポケットから先ほどと同じように縮れ毛を取り出し、それを放る。
 ただ、その数はさきほどの比ではなかった。

「私が操れる人形は、1度に100体まで。だから『百の白子』と言うんですよ」

 変態の周囲に、満員電車並みに人形が現れる。
 智の放った水の触手は、変態に届くことなく、人形に防がれてしまった。
 そして、
「チェックメイトです」
 智の背後から人形が数体襲いかかり、智の態勢を崩した。
 それで戦闘は終了、とでも言うように、智と変態の能力が消えていく。
「あいつ……こんなに強かったのか」
 あたしが初めてあの変態に襲われたときは、本気じゃなかったのか?
 まあ、今は気にしなくてもいいか。
 とりあえず、勝負は終わったみたいだし。



「く……」
 戦意を消失した智。
 その横を通って、智が守っていた扉の中へ入る。
 中には、ゴウンゴウンと怪しげな機械音を発するバカでかい装置。
「これが簡易版モザイク化計画を起こす機械か?」
『どうやらそのようじゃの。飛鳥、さらしを外してくれ』
「あ、ああ……涼太、あんたあっち向いてろ。そんで目と耳と鼻と口を手で被え」
「おう! って呼吸できないだろそれ!」
「なら鼻と口だけでいいよ」
「それが駄目なんだろ!」
「……仕方ない、なら、目と耳だけ塞いであっち向いてろ」
「お、おう……。でも、なんでだ?」
「なんでも!」
「わぁったよ」
 涼太が壁の方を見ているのを確認してから、あたしはワイシャツのボタンとさらしを外す。
 あらわになるあたしのおっぱい。
 それはまるで、お皿の上に出した、プッチンプリンのように、柔らかに揺れた。
 そして、胸から何度も見た光の玉が現れ、それがシャルの姿になっていく。
「しゃるにまかせるのじゃ」
 言うと、シャルは高く飛び上がった。
「くらえ! おっぱい・ブレス!」
 シャルの胸が巨大化していく。
 そして、その胸で思いっきり機械を叩きつけた。
 え? なにこれ?
 衝撃に耐えられなかったのか、機械から機械音が聞こえなくなった。
 壊れたみたいだ。
「これで、かんいばんモザイククライシスをふせげたはずじゃ。それじゃ、しゃるはあすかのおっぱいにもどるとするか」
 うーん、と伸びをしてから、シャルは光に包まれ、球体になるとあたしの胸の中に入っていく。
 なにはともわれ、これで簡易版モザイク化計画は阻止した。
 次は、あの綾瀬川奈々子の野望を阻止しなくては。
 あたしたちの戦いは、これからだ!
「おーい! まだかー?」
「…………」
 台無しだよこの野郎。
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