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ポケモンアドベンチャー

原作: ポケットモンスター 作者: ruru
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9話「ソノオタウン~タタラ製鉄所」

たにまの発電所の所長の話を聞いた後、俺は蜜泥棒のゴンベを依頼者の男たちへ引き渡しに行く。

だがこのゴンベの戦闘における強さを思い出し、男たちに俺が責任を持って育てるから蜜泥棒の件を許してくれないかと頼んだ。男たちは快く承諾し、俺はゴンベをゲットした。ゴンベというポケモンには今まで穏やかなイメージがあったが、こいつはとても血の気の多く喧嘩っ早い性格でイメージとは真逆だった。ポケモンにも性格や個性があるから千差万別なのである。

そしてソノオタウンを後にし、俺は自分とポケモン達の実力を試したいとハクタイの森に向かう。

その道中、川を見つめているトレーナーを見つけ目をやる。思わぬ偶然だがそのトレーナーは以前俺とハクタイシティからカンナギタウンまで行動を共にしたコウキだった。

「コウキだよな?俺だよ、久しぶり!」

「おや、いつかの。こんな所で会えるとは偶然だね」

「そっちこそ何しにここへ来たんだよ?」

「君にはあまり関係ない話だけど、まぁ縁ということもあって特別に話そう。この川を進んでいった先にタタラ製鉄所という、その昔ギンガ団がアグノム・ユクシー・エムリットを操る赤い鎖を製造していた場所があるんだ。ここまで話せば、勘の良い君なら分かるよね?」

「お前、まだそんなことを・・!」俺はコウキを睨んで怒りの表情を見せる。

コウキは以前ギンガ団が盗んだとされる行方不明の大量のマスターボールを探していたと俺に話したことがある。コウキは強くて珍しいポケモンを追い求め続けており、その貪欲さは手段を選ばないあくなき探求心ということもあって非常に厄介なのだ。

「俺も付いていく。お前がもし何か悪いことをしようなら止める」

「やれやれ、そんなに僕を止めたきゃストーカーにでもなるつもりかい」

こうして俺とコウキはタタラ製鉄所へ向かった。タタラ製鉄所の外観はそもそもさびれて誰も使っていないのをギンガ団が使っていたという節もあり老朽化がかなり進んでいる。中に入って崩れたりしないか不安に思いながらも俺はコウキの後を付いていく。

案の定、中の内装もかなりひどいものだ。逆にギンガ団が使っていた時の方が綺麗だったんじゃないか、そう思わせるほどである。

しばらく進むと、コウキが足を止める。コウキの頭が向いている方を見るが、ただの壁のようで何もない。

「おい、いきなり止まってどうしt」

「神速」コウキがそう言いルカリオを繰り出し、ルカリオは俺目がけて、嫌、俺の後ろの方へ突っ込んでいく。

すると何か人の悲鳴が聴こえ、俺はようやく後ろの人物の存在に気付いた。その人物は子供の俺でもテレビで見たことがある、ギンガ団のロゴが入った服を着ていた。ギンガ団の生き残りだ。

「まさか更に懐かしい顔を見ることが出来るなんてね」コウキは不敵に笑いながらそう言う。

「貴様のその憎き顔を一度も忘れたことがない。我々ギンガ団を潰し、アカギ様の野望を邪魔した貴様だけは!」その人物は少し声が高く中世的な顔立ちで性別がどちらか分からないが、とにかくコウキを睨み怒るその姿はかなり凄みを感じた。

「サターン、だっけ?ギンガ団は潰したと思ってたのにまだいたんだ。まぁ君がリーダーじゃ、出来ることなんてたかが知れてるだろうけどね」

「うあああぁぁぁぁぁぁ!」サターンは取り押さえているルカリオの手から抜け出し、ドクロッグを繰り出す。

「毒づき!」ドクロッグはコウキ目がけて突っ込んでいく。

「神速してインファイト」ルカリオはドクロッグに追いつき、インファイトでサターンの方までドクロッグを吹っ飛ばす。

「ふっ、ふはは!かかったな!今だドータクン、トリックルーム!」サターンのドータクンはトリックルームを作りだし、俺とコウキの周りを覆う。トリックルームは簡単に言うと素早さが逆になる技、素早さの遅いドータクンが速くなる技だ。

「喰らえ、ジャイロボール地獄の始まりだ!」

「ふっルカリオ、神速で受け止めろ」

ルカリオは神速で素早くなったドータクンのジャイロボールをことごとく止めていく。一体なぜ素早いルカリオがトリックルーム下であんなに速く動けるのか、俺には分からない。

「くっ、何故そんなに速くルカリオが動けるんだ!?素早さを遅くした形跡は見当たらない!何故だぁっ!?」

「神速という技が特別というだけさ」コウキは余裕の表情で質問に答える。

「ふざけやがってぇ!?もういい、ゴルバット、ドクロッグいけぇっ!」ゴルバットがブレイブバードで突っ込みドクロッグが毒づきで向かってくる。

「エレキッド、10万ボルト!」俺のエレキッドが弱ったドクロッグを倒し、ルカリオが神速でゴルバットを倒す。良いコンビネーションだ。

「ちぃっ!?こうなったらドータクン、大爆発で全部ぶっ壊してしまえぇ!」ドータクンが天井近くで大爆発をする。

(ドータクンの大爆発をこんな老朽した建物でやったら崩れるに決まってる。捨て身の覚悟ってわけかよ、くそっ!)

バリヤードのバリアーでも建物が崩れてしまったら守り切れない、完全にピンチの状況。だがその中でコウキとそのポケモンだけは冷静だった。

「やれやれ、神速で脱出するぞ」コウキは上を向いてそう言う。

この時俺はルカリオに指示したのだと思っていたが違う、コウキは空に潜ませていたカイリューに向けて指示していたのだ。カイリューは俺とコウキ達を掴んで飛び去る。建物が完全に崩れ去るまでに間一髪逃げ切ることが出来た。

しかしサターンはその瓦礫の下、逃げ切ることが出来たか分からない。ギンガ団は一体何がしたかったのだろう。

そんな事を考えていると、コウキが声を掛けてくる。

「これじゃもう調べようがないね。仕方ない、ハクタイの森に行くか」

「えっ?お前も行くのかよ・・・」俺は少し青ざめた表情をする。正直さっきのハードなことがまた起こるのかと怖くなる。

「へぇ、君も行くのかい?じゃあついでに一緒に行動しようじゃないか」

今日は蜜泥棒にギンガ団の生き残り、かなり疲れたがハクタイの森はもっと酷いことになりそうな予感がしながらも俺達は先へ進んでいく。

 (手持ちポケモン バリヤードLv.34 ブビィLv.31エレキッドLv.31ゴンベLv.42)
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