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可憐な花は夢を見る

原作: ソードアート・オンライン 作者: エリザ
目次

記憶の行き先

キリトとアスナとユイは、車でファンタジーランドに向かっていた。
キリトはサラリーマンになる前に、運転免許を取得していた。
妻であるアスナも運転免許を持っている。
ユイは車のなかですごくご機嫌である。
「ファンタジーランド!ファンタジーランド!」
「ユイちゃん、楽しみなのね。」
「うん、だってパパとママと滅多に出掛けることないから。今日は、とにかく嬉しいんだ。」
「そうなの。良かったわ。」
後部座席で、アスナとユイは楽しそうにしている。
「キリト君は、どう?」
「はっ、何が?」
アスナは運転中のキリトに話しかける。
「何がじゃないわよ。話聞いてなかったの。」
「あのなぁ、俺は運転中だぞ。」
「ごめんなさい。キリト君はファンタジーランドに行くの楽しみ?」
「まあ、一応な。」
アスナは、ふっと昔の記憶を思い出していた。
「そういえば、ユイちゃんが小学3年生の時に遊園地に行ったわね。」
「どこの遊園地だったかな?」
「確か、今は廃園になちゃった遊園地かな。遊園地の名前は、エレスゲートかな。」
「エレスゲート?そんな名前だったか。」
「そうよ、忘れたの。」
「ユイは遊園地の名前覚えているか?」
キリトはミラーでユイの顔を覗いた。
「……。」
ユイは寝息をしながら、後部座席のアスナの隣で寝ていた。
「ユイちゃん、疲れたのかしら。寝てしまったわ。」
「そうだな、俺だって…。いや、何でもない。」
「キリト君眠いの?次の休憩場所で運転代わろうか?」
「いや、でも。」
「家を出てから、ずっと運転しっぱなしでしょう。私代わるから、キリト君は休んで。」
「分かった。ありがとう、アスナ。」
キリトの反応に、アスナはニコッと微笑む。
車は、次の休憩場所に着いた。
駐車場に車を止める。
10分休憩してから出発する。
ファンタジーランドまで、あと約2時間。
どんなに早く車で行っても、ファンタジーランドに着くのはお昼過ぎだ。
まだ先は長い。
ユイは後部座席で寝たまま起きそうにない。
キリトは車から降りて、グーと背伸びした。
車でこの休憩場所まで、車で2時間運転していた。
ファンタジーランドに車で約4時間ほどかかる。
だから、キリトはユイに遠いと言っていた。
アスナは、キリトとユイのドリンクを売店に買いに行っていた。
アスナは車に戻って来て、キリトにコーヒーを渡した。
ユイの分のコーラは、ユイのバックの中に入れておいた。
アスナは、運転席に回る。
キリトは、後部座席でユイの隣に座る。
「キリト君、出発して大丈夫?」
「ああっ。アスナ大丈夫か?」
キリトはアスナを心配する。
「大丈夫よ。キリト君。」
「それならいいが、無理するなよ。」
「ありがとう。」
アスナは車を運転し、ファンタジーランドに向かう。
車のスピードは少し加速し始めている。
アスナとしては、早くファンタジーランドに着きたかった。
ユイに楽しい思い出を作って上げたい。
キリトの貴重な休日の時間を無駄にしたくない。
家族の時間をより長く過ごしたい。
アスナはユイの願いを叶えたい一心である。
色々と思っている間に、アスナが運転する車は休憩することなく1時間半ほどでファンタジーランドの車の入口に着いていた。
後部座席でキリトとアスナは眠っている。
「パパ、ユイ起きて。もうすぐで、ファンタジーランドに着くわよ。」
「うん、ママ。ファンタジーランド?」
ユイは瞼をこすりながら、目を覚ました。
「そう、ファンタジーランドよ。」
「ファンタジーランド!」
ユイのテンションがいきなり上がる。
「何だよ。ユイ、大きな声出して。」
ユイの声で、キリトが起きた。
「パパ起きたのね。もう、ファンタジーランドに着くわよ。」
「ファンタジーランドか、早いな。」
「予定より30分早く着いたわ。」
「すごいな、アスナ。」
アスナはニコッと笑みを浮かべた。
アスナの運転する車は、ファンタジーランドの駐車場に駐車した。
キリトとユイは先に後ろから降りて、アスナは後から降りた。
「わ~い、ファンタジーランドだ!」
ユイは小学生のように、ファンタジーランドに着いてからはしゃいでいる。
端から見ると、中学生には見えないかもしれない。
「ユイ、恥ずかしいぞ。小学生じゃないんだから。」
「だって、初めて来たんだよ。ドキドキしてワクワクしているんだもん。」
「そうね、ママもドキドキしてるわ。」
「ママもか?」
「じゃあ、パパは?」
ユイはキリトの瞳を見つめる。
「少しはドキドキしてるよ。」
キリトは少し顔を赤らめた。
「パパ、ママ早く入ろう。時間がもったいないよ。」
ユイは1人ファンタジーランドに向かって走っていた。
「ユイちゃん、本当に嬉しいのね。ユイちゃんあっという間に成長しちゃう。ちょっと寂しいな。」
「アスナ、ユイはそこまで成長してないさ。昔のまんまだぞ。俺の記憶には、未だに幼い頃のユイが残っているよ。」
「今日は、新しい思い出になるわね。」
キリトとアスナは手を繋ぎながら、ユイの元へ向かった。
キリトとアスナは、恋人のようになっていた。
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