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純愛

ジャンル: 現実世界(恋愛) 作者: 志部谷孝仁
目次

始まり

何も変わらない日々、同じ時間、同じ人、同じことの繰り返し何も変わらないし変えられない。
そんなことを思いながら今日も仕事に出社する。
私は今、全国でも有名な旅館で働いている。
いつも人に接客をし、料理を提供している。
私は、高校卒業すると同時に営業職がしたいと思っていた。
しかし、現実はそんなに甘いものじゃない。
求人は全くこないしいて言うなら、学校の昔からの付き合いのある企業ばかりだ。
最初に受けた企業は見事に不合格。
冗談半分で、説明会を受けたのが今はたいている旅館だ。
「君が欲しい!!来てくれ!!」というもんだから
楽だなと思ってその旅館に、入社した。
はぁとため息が出る。
昔を後悔したところで何も変わらないのは分かっている。
いつものようにお客様が来たら笑顔を振りまく
なぜこんなことをしているのかわからなまま。
そんなことを考えていたら、春が過ぎ夏がくるそして、この会社での2年目がやってきた。
俺もついに先輩になるわけなんだが、それよりも新入社員が入ってくることに俺は心なしか期待をしていた。
入社式の当日、同僚のけんじと一緒に除きに行く。
俺は、目を疑うような光景を目にする。
それはなんと、女性しかいないのだ。
俺とけんじは口をそろえるなり
「まじで?やったじゃん」
と言って飛び跳ねるのだった。
その声が聞こえたのか奥の扉から、責任者の
須川さんが鬼の形相でこちらに向かってくるのがわかった。
須川さんは、私の上司である1店舗の責任者だ。
まだ若いながらも常に未来を見続けて上に上り詰めていった。
頭もいいし、ルックスももちろんのこといい。
いわゆる高スペックというやつだ。
「お前ら何をしている!!!!」
怒られると思っていたが、まさかここまでの勢いだと
思っていなかった。
慌てて業務に戻るけんじと私はさっきの光景を思い出しながら配属が決まるのを待っていた。
それから何日かたったのある日、やっと新人の配属が決まった。
俺の部署には1人、けんじの部署には2人のこりは各それぞれに散らばった。
別に女に興味がないわけではないが、自分の部下になるとなかなか興味がわかないものだと今更ながら思う。
「けんじお前のとこの新人どうなの?」
私はけんじに会ったときに聞いてみた。
けんじからの答えはもちろん
「まじでかわいいよ」
当たり前のような答えで正直おもしろみがなかった。
けんじからの話では、女の子2人のなかの一人は
どうやら俺の地元と一緒らしい。
でも、自分で話しかけに行くのも変だと思い
自分から声をかけるのは基本的にするのをやめていた。
ただ、声をかけられたとき業務上の返事しかしていなかった。
そんなことしかしてなっかたら仲良くなるどころか
嫌われ一方だとわかっていてもやはり声をかけるのは気が引ける。
だって声をかけたところで、この世界は何も変わらない
誰かと触れ合うことで何かを得るものでもない。
この世界で、自分のことをちゃんと理解してくれる人はいないというのはわかっている。
そう考えていると、この人と話したところで何も変わることもないしこの人に変えれるわけもない。
そう考えると、この人もただ自分のそばにいるただの人にしか過ぎないのかもしれない。
しかし、この新入社員の入社が自分の人生に大きく
変えるとは思ってもいなかった。
変えれると思っていなかった。
今の現状のままでは・・・
これが自分の本当の幸せと不幸を体験するはじめての
きっかけになるのは僕も知らないし
この女の子も、けんじも知るよしもしなかった。
そしてこれからはじまる夏は、僕の人生のなかで一番暑い夏になるのだった。
そして今ならこう思うはずだ。
出会わなければよかった。誰ともやはり自分はと




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