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ラブライブ!〜俺がμ'sのプロデューサー!?〜

原作: ラブライブ! 作者: プリズムの使者
目次

第11話「花陽、先輩とアイドル対決!?その1」

 ここは、音ノ木坂学院アイドル研究部の部室。

 にこ先輩の所属するアイドル研究部とμ'sが合併したことにより、穂乃果たちはアイドル研究部の部員としてμ'sの活動をすることになった。

「という訳で、今日から先輩の私が可愛い後輩のアンタたちを指導していくことにするわ!」

 あくまでここはアイドル研究部であり、なおかつ最年長であるが故にその場を仕切るにこ先輩。まったくもってノリノリだ。先輩風吹かせまくりである。

「ちょっとそれどういうことよ!」

「なんで勝手に仕切ってるんだにゃ!」

 真姫と凛が交互に文句を言い合う。そりゃそうだろう。つい先日まであれほど対立していた人物に仕切られちゃあ元からいた人間としてはたまったもんじゃない。

 しかしにこ先輩は腐っても先輩。アイドルとしても人間としても先輩なのだ。

「別にいいじゃねぇか。にこ先輩はアイドルの大先輩でアイドルを研究しているすんばらしいお方だ。いっぱい学ぶといい」

 だから俺はこうしてにこ先輩を立てようとした。それがμ'sがもっと強くなるために必要だと感じたのだ。

「なにそれ!意味分かんない!」

 しかし、真姫はまたもや反発する。この様子を見るに真姫は上下関係とか大っ嫌いなタイプだ。分かるぞその気持ち。

 でもここはにこ先輩を立てなきゃならない。それがベターなのだ。

「それににこ先輩はμ'sの中で一番アイドルに詳しくて愛に満ち溢れてるはずだろ? 何が問題あるっていうんだ」

「ふふん、アンタよく分かってるじゃない」

 にこ先輩にフォローを入れると得意げに笑った。

「ちょっと待って!」

 しかしこれに待ったをかけた人がいた。かよちんだ。

「どうかした?」

 俺は首をかしげる。

「どうもこうも……なんで一番アイドルが好きなのがこの先輩みたいな風潮になってるの?」

「そうにゃ! かよちんだってアイドル愛なら負けないよ!」

 忘れてた。かよちんも立派なアイドルファンだったのだ。にこ先輩に気を取られてそっちまでフォローしきれなかった。

「竜さんは私の愛のこと分かってくれてると思ってたのに……」

 かよちんは涙ぐんでそう言う。やめてくれ、それは俺の良心が痛む。やめてくれかよちん。

「ひどいよ竜くん!花陽ちゃんの愛を裏切るなんて!」

 穂乃果が強く言う。

「かわいそう……」

「破廉恥ですよ」

 ことりと海未も続く。

「私も信じてたのに……まさかこんな浮気性だったなんて」

 そして真姫ちゃんは相変わらず嫌な言葉づかいをする。いつからそうなったんだ。

「おいおい、誤解を招くような言い方するなよ」

 俺は焦る。にこ先輩を立てただけでここまで反感を買うなんて思ってなかった。

 すると、かよちんがグッと俺の方を見つめた。表情が怖い。

「それはそうと竜さんはほんとのところどう思ってるんですか!?」

「どうって……」

「先輩を立てるためにああ言ったんですよね……?」

 かよちんにはお見通しだったようだ。

「……まいったなぁ。じゃあこうしよう。かよちんとにこ先輩でアイドル対決をするってのはどうだい?」

 適当にそう言った。アイドル愛の対決をすれば愛を数値化できる。そうすれば双方納得がいくだろう。

 個人的にはどっちが勝とうが別にどっちでもよかったりするのだが。

 その提案ににこ先輩は困惑した表情を見せる。

「対決ですって?」

 対するかよちんはかなりノリノリ。

「やりましょう!竜さん!」

 にこ先輩はこのままじゃまずいと思ったのか、なんとかやめさせようとする。

「ちょっと待ちなさいよ! 先輩の許可なしにそんな勝手認められないわ!」

 しかし、ここは戦ってもらわにゃならん。かよちんが拗ねたらかなりめんどくさいことが目に見えてるからだ。

「おいおいにこ先輩、負けるのが怖いのかい?」

「一度逃げたような人だものね」

「……もう分かったわよ!勝負、すればいいんでしょ!?」

 にこ先輩は腹をくくった。勝負を受けたのだ。


☆ ☆ ☆ ☆ ☆


 ところかわって屋上。

 最初にオピニオンをとったのは海未ちゃん。

「という訳で最初はダンス勝負です。私が最初にお手本を出すのでそのマネをしてください。審査員は竜と穂乃果の2人です」

 しかし、話を聞くなり早速にこ先輩が反論した。

「何よそれ! 審査員がμ'sの身内ばっかりじゃない! フェアじゃないわよ!」

 にこ先輩はμ'sの中であんまり好かれてないことを自覚していた。あれだけボロクソに言われたのだ。分からない話ではない。というか誰でも分かる。

「だったら3人や。ウチも入れて」

 しかし、救世主は現れた。希先輩だ。

「東條先輩!」

「久しぶり、竜くん」

 希先輩はそう言ってウインクした。

 希先輩が来てくれたなら一安心。彼女はμ'sの身内ではないので審査員としてはうってつけだろう。

 当然この提案はにこ先輩にとってはとてもいい話。すんなり受け入れてくれた。

「ムッ……竜さん! あの人とどういう関係なんですか!?」

 しかし、かよちんは違った。希先輩が審査員になること自体に異論は唱えなかったものの、俺と希先輩が仲良さそうにしてるところに食ってかかった。

「知り合いだよ。にこ先輩にシバカれたところを助けてくれた」

「あの時はお楽しみやったね」

 希先輩はまたそうやって誤解を招きそうなことを言う。大丈夫か。

「お楽しみ……!?」

 ほら、かよちんがそうやって勘ぐる。やめなさい。何もなかったんだから。

「楽しく話しただけだよ。それで、課題曲はどうするんだい?」

「私の好きな曲でいきます」

「ほぅ。それってどんな曲?」

「EZ DO DANCEです」

「えっ……なんでそれ……?」

ただ、海未ちゃんのセンスを疑うしかなかった。
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