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One

原作: ONE PIECE 作者: takasu
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予想外なことを言われて私は思わず顔を上げた。

「!!」

サンジ「おお!美しい!!こんな美女を痛めつけるのはどこのどいつだ!!」

突然私の手を握った金髪の男の人に驚いているとまた私の家に向かって足音が聞こえた。

ナミ「誰か来たわ!!」

徐々に姿を現したのは唯一の友達、シーラ

ルフィ「オオカミ?!」

ゾロ「はっ。刀を抜くまでもなさそうだな。」

ロビン「まって!攻撃しないでって言ってるわ!!」

麦わらの一味をすり抜けて私の元へやって来たシーラは私にすり寄った。

そして私の前にまるで麦わらの一味から匿うように立つとガルルルと威嚇をした。

「"待ってシーラ!!この人たちは何もしてない!!"」

私はほとんど空気だけしかでない声でそう言うとシーラはガウガウと小さなトナカイに話しかけていた。

チョッパー「ああ!本当だ!!ただ手当をしようとしてただけなんだ!!」

トナカイは両手を上げながらそう言った。

するとシーラは威嚇をやめて私の頬を舐めた。

シーラ「ガゥガゥ…クゥーン?(またあいつらにやられたのか?)」

「"大丈夫"」

私が微かな声でそう言うとシーラは私の傷口から出る血をなめとった。

チョッパー「あいつらって?」

シーラ「ガウッ、ガウガウ、ガウッ!!」

ナミ「なんて言ってるの?チョッパー」

チョッパー「ユリエを虐める街人達だって…」

ルフィ「お前、何か悪いことしたのか?」

シーラ「ガルルル!!ガウガウ!!」

チョッパー「ユリエは何もしてない!!ただ能力者ってだけで虐められてるんだ!!って言ってる…」

ナミ「じゃあ本棚を凍らせたのもあなた?」

私はその問いかけにしぶしぶ頷いた。

ゾロ「ん?凍らせる奴って確か海軍にいなかったか?」

シーラ「ガルルル、ガウガウ」

チョッパー「それは青キジのヒエヒエの実だって」

シーラ「ガウ、ガウガウガウ!」

チョッパー「ユリエはソラソラの実だ?」

ルフィ「なんだそれ?」

シーラ「ガゥ…(それは…)」

シーラは私の方をチラッと見て様子を伺っているようだった。

仕方なく私は自分の能力について地面に書いた。

ロビン「ソラソラの実はかなり希少で空から授けられる実。主に天候操作、何処でも天気を発生させられる。そして天気を操って目隠しや炎を出すことも出来る。植物を急速に育てることができるくらい。他は特にない…だそうよ」

ルフィ「おんもしれー!!!」

ロビン「私からも聞いていいかしら?」

"どうぞ"

ロビン「あなたはどうして古代文字の読み書きができるの?他の文字は読み書きできない?」

"どちらも読み書きできるけど、咄嗟に出てくるのは初めて教わった古代文字"

ナミ「なんだ!普通の文字もわかるのね!」

ロビン「じゃあ、あの凍らせた本棚に入ってるのは古書?」

"ええ、そうよ。"

ルフィ「すっげー!なぁ、お前!仲間にする!」

「!!」

"それは遠慮しておく"

ルフィ「嫌だ!!お前は仲間にする!!」

ナミ「あーあ、はじまっちゃった」

"私といたっていいことないよ"

ルフィ「それはお前が決めることじゃない!俺たちが決める!」

"私があなた達にしてあげられることはないから。"

私はそう書いて伝えると痛む身体に鞭を打って立ち上がり外に出ようとした。

ルフィ「まてよ!」

シーラ「ガウッ!(何処に行くんだ!)」

「(食材を取りに行くだけ。)」

チョッパー「まだ手当が終わってないぞ!」

私は後ろからかけられる声を無視して外に出た。

シーラ「俺の話を聞いてくれるか?」

男達「喋った!!」

シーラ「本当は話せるんだ。だがユリエには言ってない。ちなみに言うと俺は人獣。」

シーラはそう言うと人の姿になった。

ルフィ「おんもしれー!!!お前も…!!」

シーラ「それはできない。俺はこの海のバランスを取る役目をしている。俺がいなくなればこの海はなくなってしまう。」

ルフィ「…」

ロビン「それで、話っていうのは?」

シーラ「あぁ。…ユリエのことなんだが…。…あいつはもともとこの街の人間だったんだ。両親はあいつが生まれた時に事故死したんだが、あいつは一人でも泣き言一つ言わずに暮らしていた。ある日海の見張り番を頼まれたあいつは大人と見張りをしていたはずだったんだ。…なのに海賊が来た途端大人は逃げ出して、彼奴はそれでも海賊が街に入らないようにひたすらに対抗していた。だが…」

シーラはそこまで言うと悔しそうに拳を握りしめた。

シーラ「まだ小せぇあいつにできることなんて何もなかった。ボロボロになるまで殴られて海に沈められそうになったんだ。その時たまたま俺が海を巡回していて…波で岸まで流し返したんだ。だが…その時には海賊は街に侵入していて、あいつはどうにかしようと海賊の船に侵入した。その時に見つかって閉じ込められた2日目、突然部屋の中にソラソラの実が現れたんだ。あいつはそれを食べて飢えを凌ごうとしたがそれは悪魔の実。能力者になった彼奴はどうにか船を抜け出して街に戻った。…するとそこは海賊達にすでに荒らされていた。…あいつはその海賊達を許せず、悪魔の実の能力で海賊達を懲らしめた。そして海賊船もろとも燃やし尽くした。全部街の為にやったことだった。…なのに…!!…………街の奴らはあいつをバケモノ呼ばわりして、その上海賊達が街に入ったのはあいつのせいだって言い出して……結局街の中にいられずずっと海の見張り番をさせられているんだ…」
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