さんじゅうにこめ(番外編⑥)
「前回同様わたくしLと」
「メロでお送りします。…早く帰ってきてくれアリーさん」
「失礼ですね、メロ君。2回目なので少しは歩み寄ることが出来たと思っていましたが君とのッ距離は近づくどころかですね。まぁわたしと君ではこうなることは分かっていたことなので無理もないです。性格があまりにも違いすぎますから」
「アンタが少しでも自重してくれれば、そこそこ会話は成り立つと思うんだけどな。まあ無理だろうけど。…前々回から引き続き、寄せられたメッセージにお答えしていくコーナーです。「メロ君こんにちは、アリーさんとは随分長い付き合いのように感じますが実際は出会ったのはいつなのですか?初対面の時のお2人はどんな感じでしたか」…俺個人に来た質問だけどここはLも初対面のことを話したらいいんじゃないか」
「なんですかメロ君、もしかしなくても私に気を使いましたね。別に私には聞かないのかと言った覚えはありませんが」
「そんな全面に不満な感情を押し出した人間の言葉とは思えねえ……俺とアリーさんの出会いは、ハウスにあった書斎でだな。アリーさんは元々人付き合いもなかったから、それまで顔は合わせた事はあっても喋ったことはなかったしいつもしら~とした目をしてたから正直苦手だったし。アリーさんが書籍を探しているところに俺が入っていったときは「タイミング悪かったー」ってあからさまに嫌な態度取ったな」
「今の君からは考えられませんね。」
「まあ、俺もあの時ニアとのことで色々あったんだよ」
「そうですね。その辺は私もまったく無関係という訳でもないので何とも言えませんが。続きをどうぞ」
「アリーさんは一瞬こっちを見た気がするけど本当に一瞬で、後は一切こっちを見ずに自分の目的の本を取ったらさっさと図書館から出て行ったんだよ。俺も特に話したいとは思わなかったし気にも留めなかったけど、愛想がねぇ奴とは思ってた」
「当時のSはそうですね、愛想の欠片もありませんでしたね。」
「だろ?まあ、俺もそのまま1人になったから本探しに夢中になったんだけど。本を適当に取って書斎にあった椅子に座って読んでたら、気付いたら夕方になっててさ。ハウスではおやつの時間は必ず全員集まるのが決まりだったから慌てて立ち上がったんだ。シスターに怒られると思って。そしたら、いつの間にかアリーさんが書斎に来てたらしくて目と鼻の先に立っていたんだよ。驚いて仰け反ったら椅子ごと倒れちゃって、そんな間抜けなとこ見られたのが恥ずかしくて逆ギレしたら無表情のまま「すみません」とか言われて」
「あの時のSは表情筋が死んでいましたね。…今もでした」
「それアリーさんが聞いたら絶対怒るぜ。…まぁ、結局なんだ、俺がおやつの時間に現れなかったことの言い訳を適当につけてくれたらしくて、おやつを持ってきてくれたんだよ。俺の好きな物でしょうってチョコレート」
「?先程Sとの付き合いは一切なかったって話していませんでしたか。好きな食べ物を知っていたのですね、その当時から」
「それは俺も気になってたけど。それから俺が一方的にアリーさんを見掛けるたびに追いかけて行って聞いてもはぐらかされたし、今聞いたら「忘れた」って言われるし結局分からづじまいなんだけど。最初はニアに似てよくわからない奴だし、正直関わるか悩んだけど関わってみると案外分かりやすい人だってわかってから一緒にいるようになったな」
「なるほど、まぁ無表情に見えてかすかにですが表情も動いていますし慣れると案外分かりやすいところはありますね。」
「まあな。俺の後にマットとニアも仲良くなって、その後程なくしてアリーさんはハウスを卒業していったから一緒にいた期間は長くはないけど。」
「…という経緯だそうです。」
「何締めてんだよ、次はLとアリーさんの出会った経緯じゃないのか?」
「君にはまだ早いですよ。もう少し大人になってからお教えします」
「何だよ俺にはまだ早いって。どんな経緯だよそれ。まさかとは思うけどアリーさんに変なことしたわけじゃねぇだろうな」
「その凶悪な顔からは、到底あの幼き頃の君は連想できませんね。あの頃の君はもっと素直で可愛らしかったというのに、どこでどう転んでこうなったんでしょうねぇ」
「過去を偽造するなよ。俺は大人になってからしか関わった覚えはない」
「おっと、これは内緒の話でしたね。では次にいきましょう。」
「ちょっと待て、聞き捨てならな「次の質問です、Lさんメロさんこんにちは。お2人にとってアリーさん(Sさん)はどんな存在ですか。とのことです。なんだか聞き覚えのある質問ですが、お答えしていきましょう。私は前回お答えしたはずなのでメロ君お願いしますよ」
「…俺にとってのアリーさん?…あー…まぁ一番しっくりくるのは「姉」かな。年も離れているし、「友達」ってよりは、悪いことをしたら叱ってくれる姉に近い。アリーさんは会った時から大人びてたから余計にそう感じたと思う。」
「ハウス自体が家族的でしたからそう感じても無理ありませんね。でもSはしっかりしているように見えて実はですね」
「L、後ろ」
「あ」
メロ編 終
「メロでお送りします。…早く帰ってきてくれアリーさん」
「失礼ですね、メロ君。2回目なので少しは歩み寄ることが出来たと思っていましたが君とのッ距離は近づくどころかですね。まぁわたしと君ではこうなることは分かっていたことなので無理もないです。性格があまりにも違いすぎますから」
「アンタが少しでも自重してくれれば、そこそこ会話は成り立つと思うんだけどな。まあ無理だろうけど。…前々回から引き続き、寄せられたメッセージにお答えしていくコーナーです。「メロ君こんにちは、アリーさんとは随分長い付き合いのように感じますが実際は出会ったのはいつなのですか?初対面の時のお2人はどんな感じでしたか」…俺個人に来た質問だけどここはLも初対面のことを話したらいいんじゃないか」
「なんですかメロ君、もしかしなくても私に気を使いましたね。別に私には聞かないのかと言った覚えはありませんが」
「そんな全面に不満な感情を押し出した人間の言葉とは思えねえ……俺とアリーさんの出会いは、ハウスにあった書斎でだな。アリーさんは元々人付き合いもなかったから、それまで顔は合わせた事はあっても喋ったことはなかったしいつもしら~とした目をしてたから正直苦手だったし。アリーさんが書籍を探しているところに俺が入っていったときは「タイミング悪かったー」ってあからさまに嫌な態度取ったな」
「今の君からは考えられませんね。」
「まあ、俺もあの時ニアとのことで色々あったんだよ」
「そうですね。その辺は私もまったく無関係という訳でもないので何とも言えませんが。続きをどうぞ」
「アリーさんは一瞬こっちを見た気がするけど本当に一瞬で、後は一切こっちを見ずに自分の目的の本を取ったらさっさと図書館から出て行ったんだよ。俺も特に話したいとは思わなかったし気にも留めなかったけど、愛想がねぇ奴とは思ってた」
「当時のSはそうですね、愛想の欠片もありませんでしたね。」
「だろ?まあ、俺もそのまま1人になったから本探しに夢中になったんだけど。本を適当に取って書斎にあった椅子に座って読んでたら、気付いたら夕方になっててさ。ハウスではおやつの時間は必ず全員集まるのが決まりだったから慌てて立ち上がったんだ。シスターに怒られると思って。そしたら、いつの間にかアリーさんが書斎に来てたらしくて目と鼻の先に立っていたんだよ。驚いて仰け反ったら椅子ごと倒れちゃって、そんな間抜けなとこ見られたのが恥ずかしくて逆ギレしたら無表情のまま「すみません」とか言われて」
「あの時のSは表情筋が死んでいましたね。…今もでした」
「それアリーさんが聞いたら絶対怒るぜ。…まぁ、結局なんだ、俺がおやつの時間に現れなかったことの言い訳を適当につけてくれたらしくて、おやつを持ってきてくれたんだよ。俺の好きな物でしょうってチョコレート」
「?先程Sとの付き合いは一切なかったって話していませんでしたか。好きな食べ物を知っていたのですね、その当時から」
「それは俺も気になってたけど。それから俺が一方的にアリーさんを見掛けるたびに追いかけて行って聞いてもはぐらかされたし、今聞いたら「忘れた」って言われるし結局分からづじまいなんだけど。最初はニアに似てよくわからない奴だし、正直関わるか悩んだけど関わってみると案外分かりやすい人だってわかってから一緒にいるようになったな」
「なるほど、まぁ無表情に見えてかすかにですが表情も動いていますし慣れると案外分かりやすいところはありますね。」
「まあな。俺の後にマットとニアも仲良くなって、その後程なくしてアリーさんはハウスを卒業していったから一緒にいた期間は長くはないけど。」
「…という経緯だそうです。」
「何締めてんだよ、次はLとアリーさんの出会った経緯じゃないのか?」
「君にはまだ早いですよ。もう少し大人になってからお教えします」
「何だよ俺にはまだ早いって。どんな経緯だよそれ。まさかとは思うけどアリーさんに変なことしたわけじゃねぇだろうな」
「その凶悪な顔からは、到底あの幼き頃の君は連想できませんね。あの頃の君はもっと素直で可愛らしかったというのに、どこでどう転んでこうなったんでしょうねぇ」
「過去を偽造するなよ。俺は大人になってからしか関わった覚えはない」
「おっと、これは内緒の話でしたね。では次にいきましょう。」
「ちょっと待て、聞き捨てならな「次の質問です、Lさんメロさんこんにちは。お2人にとってアリーさん(Sさん)はどんな存在ですか。とのことです。なんだか聞き覚えのある質問ですが、お答えしていきましょう。私は前回お答えしたはずなのでメロ君お願いしますよ」
「…俺にとってのアリーさん?…あー…まぁ一番しっくりくるのは「姉」かな。年も離れているし、「友達」ってよりは、悪いことをしたら叱ってくれる姉に近い。アリーさんは会った時から大人びてたから余計にそう感じたと思う。」
「ハウス自体が家族的でしたからそう感じても無理ありませんね。でもSはしっかりしているように見えて実はですね」
「L、後ろ」
「あ」
メロ編 終
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