にじゅうごこめ(番外編①)
※番外編です。
※本編とはなんら関係がありません
※メタ発言等ありますが本編に登場する本人とはまた別にお考え下さい
「どうしてこうなった?」
「前からお伝えしていたじゃないですか。番外編として皆さんから頂いた手紙をご紹介するコーナーをやるので準備しておいてくださいって1週間前にはワタリに伝えるようにと言っておきましたが」
いつもの捜査本部にいたはずが、気が付いたらどこか知らないラジオ局に連れてこられたSはいつもの数倍は死んだ目で目の前の男にじとりとした視線を向けた。そんな視線を気付いているはずなのに素知らぬふりでペラペラと台本のようなものを捲っていたLは脇に大量に積まれていた菓子類の中からドーナッツを1つ手に取るとそれを口に運びながら続けて爪に歯を立てた。
「「桃色パンプキン」も1か月半続いた記念として本編とは別にこういうコーナーもあったらいいんじゃないか?って提案が出たんですよ。本編との間に時折挟んでいくようです。」
「1か月半とはまた随分と中途半端な時期に始まりましたね。本編との間に挟むって、まさかネタ切れだとか言うんじゃ」
「さて、始まりました。「桃色パンプキン」をご覧の皆さん、こんにちは、ここの主人公であり「世界の名探偵」と名高いLです。ここでは皆さんの抱える疑問にこの私が、余すことなく答えていこうという素晴らしい企画で成り立っています」
「サラッと無視してサラッと嘘をつかないでください。ここのヒロインは私です」
「まぁいいじゃないですか。きっとここに身に来てくれている人の大半はかっこいいLを見たいなんて思ってきてくれている人たちばかりなのは明確ですよ。そうカリカリせずに」
「残念ながらここにかっこいいLなんてものは存在しませんが。もしかしたらそう仰っている読者さんは騙されている可能性がありますからアナウンスをさせてくださいね、ここには「かっこいいL」はもちろん「夜神月」「ニア」「マット」「メロ」以下略のかっこいいシーンはありません。そして私が主人公です」
不服そうにこちらを見ているLを見事にスルーして言い切ったSは、手元に置かれた台本を手に取るとパラパラと眺めて「無駄に高クオリティ」とつぶやいた。それもそのはず、手元に置かれた台本はすべてニアが指揮を執りジョバンニが文字に起こしたらしい。
「リアル「ジョバンニが一晩でやってくれました」ですね」
「元ネタが分からない方は本編をご覧ください」
「早速このコーナーを見たかたからお手紙が届いたようですよ。えー…「Lさん、Sさんこんにちは。このラジオにはお2人以外は出演しないのでしょうか。ニア君やメロ君のトークも見てみたいです。それとお2人が両方敬語キャラで時折どちらの発言か分かりにくい時があります。何か区別がつく方法はないでしょうか」とのことでした。」
「まぁ確かに敬語キャラで被っているのは私とLだけですね。区別と言いますとここでは名前を表記するほかないのですが。」
L「ではここではこのようにどちらが喋ったのか分かりやすいようにしましょう。貴重なご意見ありがとうございます。他の捜査本部メンバーの出演に関してですが、追々彼らの出演のほか普段捜査本部にあまり顔を出さない面々の出演も考えているようですよ」
S「ワタリがワイミーズのほうに要請出来るようならと言っていましたね。日本に来させるのは距離的な意味で酷ですから、テレビ通話が妥当だという話になったようです」
L「今後に期待ですね。では次のお便りをご紹介させて頂きますよ。「こんにちは、Sさんの紹介文で「SにはLのような協力者がいて本編で出るかも」みたいな説明がありましたが一向に気配すら見せません。彼らが居るというのは嘘なのでしょうか」ということです」
S「彼らはあくまで影の存在ということなので、もう少ししたら関りも出て来るのではないでしょうか。頃合いを伺っているといったところです。それぞれ個性あふれるメンバーですので、楽しみにしていてくださいね」
L「私も会ったことがないのでどのような方たちかすら知りませんね。いつかこのラジオにも出演してくれることがあるのではないでしょうか。もしかしたら、ですが」
S「まぁその時は根掘り葉掘り彼らのことを聞き出しましょう。きっと腹のよじれる素晴らしい話をしてくれるはずです」
L「ハードルをこれでもかというスピードで上げていきますね、ここでは仲間と言えど足の取り合いが見られそうです。」
S「そうですね。零君あたりから後日苦情が着そうなのでこれくらいにしておきましょうか」
L「そうしましょう。零君と呼ぶあたり男性ですか?」
S「さあ、どうでしょう。次のお便りは私から紹介させて頂きますね。「Lさん、Sさんこんにちは。お2人はお互いの関係性を言葉にするならどのような関係だと感じていますか?そう思った理由も一緒に聞かせてほしいです」ということです」
L「関係性ですか、Sとは幼い頃からの付き合いですし長く一緒にいたせいか友人とはまた違うような関係性のような気がしますね。一緒にいても苦ではない、空気のように居て当たり前のような感覚に似たような、まぁ今のところ家族と呼ぶのが妥当なのではないでしょうか。妹のようにも見ていますし、姉のようにも思っています」
S「Lと同感ですね。ワイミーズでは兄弟のように育つので、その感覚が抜けきらないのかもしれません。仕事場ではもちろんパートナーとして信頼していますが、普段は私も兄のように慕っていますし、弟のようにも思っています」
L「今回はここまで、次回も楽しみにしていてくださいね。」
S「次回に続きます。」
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