ふたつめ
「はじめまして、「夜神月」君。Sです」
彼女を初めてみた時、まるで無機質なドール人形を見ているようだと思った。
表情のない顔は何の感情も移さない、そんな生きているのかすら疑うような彼女は今までパソコンのディスクトップ上の「S」というロゴ体でしか存在を知ることが出来なかった少女。
月以外はLとの対面を済ませたその何日か後に顔合わせを済ませたため、現在部屋にいる人間で彼女の容姿に驚きをあらわにしているのは月くらいであったが。
姿かたちはおろか声すらも機械音に変えられていた彼女は今まで性別や年齢まで明かされない存在であった。
分かっていた事と言えば、Lがそれなりの信頼を置いている協力者であり、Lに劣るにしても人並み以上の洞察力と観察眼を伴った頭脳を持っている事。PC技術に関しては右に出るものがいないくらいに天才的であり、月にとって最も会いたくない、そして会いたい人物であった。
「驚いたよ。まさか女の子だったなんて、予想外だった。年齢もてっきり僕より年上なんだとばかり」
「今まで素性を隠していましたし無理はありません」
「そんな君が僕に姿を現すって事は少しは信頼を得られた、ってことかな?」
それにSはじっと月の目を見つめたまま答えない。
何もかも見透かしているような、そんな居心地の悪い視線に目をそらしそうになりながらもそうしたら何故かいけない気がして彼女の目を見つめ返した。
服から髪、そして肌まで彼女を彩るものが「白色」の中唯一色素を持つ瞳は、Lのように奥の方で何を考えているのか分からないようなものではなく、どこまでも純粋で無垢な何色にも染まっていない輝きを見せている。
「その答えは、夜神君の想像に任せます。」
「…それは残念」
「これからは嫌でも捜査を共にしていくことになります。そうしたら自ずと分かる日が来ますよ」
どちらが善で、どちらが悪か。
敢えて含みを込めて言われた言葉の心意に、月が気付くのはもっと先のことだった。
色々と聞きたいことがある月とは違い、彼女はくるりと背を向けるとそのままモニタールームの方へと歩いて行ってしまう。彼女がこの部屋に来たという事はつまりLに呼ばれたのだろうから当たり前なのだが。
「もうあなたに興味などありません」そう態度で示されたような感覚に、じっとSの背中を見つめながら何か、彼女の気を弾ける話題を脳内で探した。
そして見つけた。彼女を見てすぐに気になったその「色」
因みにその髪と皮膚はアル/ビノなのかい?
そう聞こうとした月にSは少し先で立ち止まると、くるりと振り向き「因みに髪と皮膚はアル/ビノではありません。ですが生まれつきのものですね」とその心を読んだように答えたことで、目を見開いた月はぴたりと足を止めて驚いた顔で彼女を見た。
「すみません、初対面のかたには必ず聞かれるもので。違っていましたか?」
「いや、その通りだったよ。すごいねSは」
彼女は月からの称賛の声に「はあ」と特に興味のなさそうな声で返答し、今度こそLのいるデスクの方へ歩いて行ってしまった。
そんな彼女を少しの間見つめていた月はハッとしたように、不自然にならない程度に彼女に怪しさを持たれないくらい自然に、彼女の後を着いて行った。
だから自分の後ろで黙ったまま彼女の頭上を見つめて笑った赤い瞳に気付かなかった。
それが最大のミスであり、自分の未来を変えるものだとも知らずに。
オリキャラ紹介
(読まなくても大丈夫です)
容姿 白髪、色素の抜けきった肌
瞳は色素の薄い水色
生年月日
不明
(へその緒が付いた状態でワイミーが拾った日、
1984年4月6日が誕生日だとされているが実親を捜索することも不可能だったため確かではない)
血液型
A型
仲間
Lに協力者がいるように彼女にも協力者がいる。
ハンドルネームは名前対策のため「零」「壱」「弐」と数字を使っている。お互いに本名、素性は一切明かさずにSのみ彼らの情報を持っている。
Sのハンドルネームは「零」
備考
生れ落ちてすぐにワイミーズ/ハウス前に捨て/られる。
それを偶然外に出ていたワイミーに拾われ、院長ロジャーに託された。
その後、ロジャーはその赤ん坊を他の施設の子供と同様に大事に育てていく。
14歳の時「卒業」という形でハウスを出て行くことに。
後にワイミーと合流し「S」というイニシャルをもらい受ける。(その辺の詳しい話は別話にて)
イギリス・ウィンチェスター地方にあるマンション一室で主に情報操作、解析、情報提供者として活動していたがとある理由から日本へ渡ることに。
偽名はSと日本名から取って「島崎」と名乗ることに。
その名字に特に意味はない。何か「さ行」の日本名で調べ出て来たし音の響きもいいからこれにしようってノリ。
本名はとある事情からないため、「死神の/目」を使っても名前のところは何かに塗りつぶされたかのように線が絡み合い所有者とは逆に寿命だけが示される。
だが身体構造は他の人間と何ら変わらない為不死身とかでは一切ない。故に他者を操り「〇時〇分××にいた人間を射殺」などで巻き込まれた場合例外なく死ぬ。
※原作言語などには検索よけのため「/」を入れます。
ご了承ください。
彼女を初めてみた時、まるで無機質なドール人形を見ているようだと思った。
表情のない顔は何の感情も移さない、そんな生きているのかすら疑うような彼女は今までパソコンのディスクトップ上の「S」というロゴ体でしか存在を知ることが出来なかった少女。
月以外はLとの対面を済ませたその何日か後に顔合わせを済ませたため、現在部屋にいる人間で彼女の容姿に驚きをあらわにしているのは月くらいであったが。
姿かたちはおろか声すらも機械音に変えられていた彼女は今まで性別や年齢まで明かされない存在であった。
分かっていた事と言えば、Lがそれなりの信頼を置いている協力者であり、Lに劣るにしても人並み以上の洞察力と観察眼を伴った頭脳を持っている事。PC技術に関しては右に出るものがいないくらいに天才的であり、月にとって最も会いたくない、そして会いたい人物であった。
「驚いたよ。まさか女の子だったなんて、予想外だった。年齢もてっきり僕より年上なんだとばかり」
「今まで素性を隠していましたし無理はありません」
「そんな君が僕に姿を現すって事は少しは信頼を得られた、ってことかな?」
それにSはじっと月の目を見つめたまま答えない。
何もかも見透かしているような、そんな居心地の悪い視線に目をそらしそうになりながらもそうしたら何故かいけない気がして彼女の目を見つめ返した。
服から髪、そして肌まで彼女を彩るものが「白色」の中唯一色素を持つ瞳は、Lのように奥の方で何を考えているのか分からないようなものではなく、どこまでも純粋で無垢な何色にも染まっていない輝きを見せている。
「その答えは、夜神君の想像に任せます。」
「…それは残念」
「これからは嫌でも捜査を共にしていくことになります。そうしたら自ずと分かる日が来ますよ」
どちらが善で、どちらが悪か。
敢えて含みを込めて言われた言葉の心意に、月が気付くのはもっと先のことだった。
色々と聞きたいことがある月とは違い、彼女はくるりと背を向けるとそのままモニタールームの方へと歩いて行ってしまう。彼女がこの部屋に来たという事はつまりLに呼ばれたのだろうから当たり前なのだが。
「もうあなたに興味などありません」そう態度で示されたような感覚に、じっとSの背中を見つめながら何か、彼女の気を弾ける話題を脳内で探した。
そして見つけた。彼女を見てすぐに気になったその「色」
因みにその髪と皮膚はアル/ビノなのかい?
そう聞こうとした月にSは少し先で立ち止まると、くるりと振り向き「因みに髪と皮膚はアル/ビノではありません。ですが生まれつきのものですね」とその心を読んだように答えたことで、目を見開いた月はぴたりと足を止めて驚いた顔で彼女を見た。
「すみません、初対面のかたには必ず聞かれるもので。違っていましたか?」
「いや、その通りだったよ。すごいねSは」
彼女は月からの称賛の声に「はあ」と特に興味のなさそうな声で返答し、今度こそLのいるデスクの方へ歩いて行ってしまった。
そんな彼女を少しの間見つめていた月はハッとしたように、不自然にならない程度に彼女に怪しさを持たれないくらい自然に、彼女の後を着いて行った。
だから自分の後ろで黙ったまま彼女の頭上を見つめて笑った赤い瞳に気付かなかった。
それが最大のミスであり、自分の未来を変えるものだとも知らずに。
オリキャラ紹介
(読まなくても大丈夫です)
容姿 白髪、色素の抜けきった肌
瞳は色素の薄い水色
生年月日
不明
(へその緒が付いた状態でワイミーが拾った日、
1984年4月6日が誕生日だとされているが実親を捜索することも不可能だったため確かではない)
血液型
A型
仲間
Lに協力者がいるように彼女にも協力者がいる。
ハンドルネームは名前対策のため「零」「壱」「弐」と数字を使っている。お互いに本名、素性は一切明かさずにSのみ彼らの情報を持っている。
Sのハンドルネームは「零」
備考
生れ落ちてすぐにワイミーズ/ハウス前に捨て/られる。
それを偶然外に出ていたワイミーに拾われ、院長ロジャーに託された。
その後、ロジャーはその赤ん坊を他の施設の子供と同様に大事に育てていく。
14歳の時「卒業」という形でハウスを出て行くことに。
後にワイミーと合流し「S」というイニシャルをもらい受ける。(その辺の詳しい話は別話にて)
イギリス・ウィンチェスター地方にあるマンション一室で主に情報操作、解析、情報提供者として活動していたがとある理由から日本へ渡ることに。
偽名はSと日本名から取って「島崎」と名乗ることに。
その名字に特に意味はない。何か「さ行」の日本名で調べ出て来たし音の響きもいいからこれにしようってノリ。
本名はとある事情からないため、「死神の/目」を使っても名前のところは何かに塗りつぶされたかのように線が絡み合い所有者とは逆に寿命だけが示される。
だが身体構造は他の人間と何ら変わらない為不死身とかでは一切ない。故に他者を操り「〇時〇分××にいた人間を射殺」などで巻き込まれた場合例外なく死ぬ。
※原作言語などには検索よけのため「/」を入れます。
ご了承ください。
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