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勘違いパワハラ

ジャンル: その他 作者: rodann
目次

謝罪、和解


祐介「…何のつもりですか?」

社長「見ての通り…君には申し訳無い事をした…だからこそ謝罪をしている…。」

部長「君の気持ちを理解しなかった我々の責任だ…。 だが、君はあの会社に必要な人材であり大切な仲間だ!!」

と、僕の事をここまで買ってくれている…。

不思議だった…何も役に立たない僕が何故ここまで…?

祐介「それだからって、何故僕が? 意味がわからない? どうせ、見せ掛けの謝罪の癖に…。」

僕はそれでも悪態をつくと…社長からまさかの言葉が…。

社長「実を言うと…あの時、君を襲った男に警察を呼んだのは…"深澤"君だ…。」

祐介「は? この女が? 散々に僕をズタズタにしたくせに、今更? 笑わせないでくれますか…?」

僕がこんな言葉を言い放つと…この女から驚きの言葉が…。

薫「本当にごめんなさい…"祐ちゃん"…。」

祐介「へ…?」

何とこの女が…僕の事を"祐ちゃん"と言ってきた…。
まさか…この女が…昔、僕と遊んでくれた…姉ちゃんか?

薫「貴方が…まさか、この会社に居るとは思わなかった…貴方の為に…一生懸命になって愛のムチを与えたつもりだけど…それが間違ってた…本当にごめんなさい…!! 私のせいで…!!」

部長「実はな、深澤君は君の事を本当に心配していたんだ。 今回、もし君を無事に連れ戻す事が出来たら、彼女は今回の責任を取って会社を辞めるつもりだったんだ。」

祐介「え…?」

何と、この女は責任を感じて僕が戻ったら会社を辞めるとの事だった…。
まさか…?

祐介「そんなの…。」

社長「信じられなくっても構わん…だが、君が会社に必要な人材な事には変わらん。 それだけは本当の事だ…だから、頼む…!!」

と頭をずっと下げ続けたまま、お願いをしてくる三人…。
そんな光景に僕が下した判断は…

祐介「分かりました…では…。」









































あれから数ヵ月後…。

社員A「主任、これお願いします!!」

社員B「浅川主任、宜しくお願いします!!」

祐介「あぁ、良いよ!!」

僕は、会社を辞めずにあのまま居座ってる。
そして、あの時の事件で僕は普通の社員から主任へと昇格した。
大役を任される立場となった今…仕事が余計に忙しくなってしまった…。

コトッ…

??「あまり、切り詰めないでね。 いつも頑張っている姿は、社員の皆に伝わってるから♪」

祐介「大丈夫ですよ、"深澤課長"。」

薫「ふふっ。」

そう…あの後…

祐介『分かりました、では…会社には戻りますが…。 今回の一件で大きく反省の上…二週間程の休暇をお願いします。』

社長『そうか…。』

祐介『後、課長は辞めさせなくても良いですよ。』

社長『何? 何故だ?』

祐介『今回の件で、大きく反省しているなら…今回だけは無しにします。 ただ、これからは後輩育成のやり方は僕の目線ありで宜しくお願いします。』

部長『なっ…不問にしていいのか?』

薫『そんな…不問には…せめて減給か…自宅謹慎でも…。』

祐介『んー…。』

とこの後も、押し引きのやり取りが続き、
最終的に、彼女に下された処分は"2ヶ月の減給"に"2週間の自宅謹慎"となった。
とか言う僕は、今回の事件の被害者という事なのか、"2週間の自宅療養"という事で特別に休ませて貰った。


今では…課長もあの時のような威圧感は全く無くなり、社内の雰囲気は前とは違って明るくなった。


勘違いのすれ違いによって、大きくなってしまったあの事件は、結果的に関わった人間の心を大きく成長させる切っ掛けとなった。


だが、僕はもうあんな体験は今回だけで充分だ。


祐介「ハァ~…あー疲れたー…。」

部長「浅川君。」

祐介「あっ、部長。」

部長「どうだね? 普通の社員から昇格となった立場は?」

祐介「えぇ…大変ですよ…。 はぁ~…。」

部長「はっはっはっ、そうだな。」

祐介「となると、薫姉ちゃんも…こんな大変な思いで仕事をしていたのか…なら、あんな風になってもおかしくないか…。」

部長「へっへっへっ、だが、後輩を苛めるような事なんか学んでしまったらいかんぞ。 あの時のような事件がまた起きてしまうからな。」

祐介「えぇ、僕はあの時の薫姉ちゃんような事はおかさないようにしますよ。」

部長「まぁ、それはそうと…。 君の頑張る姿が口コミで広がって、中途採用希望の社員がうちに雪崩れ込んできてる。」

祐介「えぇ~…。」

正直、今となっては少しだけ後悔してるかも…。

部長「だが、採用した時のスピーチとして君のエピソードを社員の皆に伝えてやれば良い!! 皆、浅川君の姿を感じてこの会社を選んできてるからな!!」

祐介「う…。」

だが、僕は後悔をしても良い。
それが自分のステップアップに繋がるなら…。

そして…
次の年の入社式…

代表社員の特別スピーチとして僕は…これから入る新入社員の前でスピーチをする事となった。

祐介「皆さん、初めまして。 私はここの社員の"浅川 祐介"です。 私は昨年度…大変な思いをして精神や人生が終わる寸前にまで至りました。 しかし、その経験は私を大きく成長させた経験となりました。 こんな簡単な言葉しか送れないですが、皆さんにこの言葉を送ります。」












「一生懸命頑張る事に無駄な事は無い」










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