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勘違いパワハラ

ジャンル: その他 作者: rodann
目次

現れるヒビ

祐介「どうしよう…どうしよう…。」

僕は焦ってた…出来上がる筈の仕事の書類にまさかのミスが分かり…今、急いで手直しをしている…。

カタカタカタカタカタ…。

祐介「急げ…急げ…。」

薫「ねぇ?」

祐介「はいっ!!」

僕は課長の声に強く反応した。

薫「何してんの?」

祐介「…。」

薫「こんな初歩的な事で、やり直ししているなんて恥ずかしくないの!? 何でもっと早くに[見直し]とかしないわけ!!? 貴方、大学とかでテストやる時、全部解答欄埋めたら、まず[見直し]するでしょ? 何してんの!!?」

祐介「そ…その通りです…。」

課長の言う事はごもっとも…。
僕は、提出直前になって、やっとでミスが発覚したんだ…その結果、こんな事になってしまった…。
どうあがいても…僕のミスである事…僕の責任で有ることには何一つ変わらない。

薫「もう…本当に…何してんの? こうなったらもう…どうするか考えた方が良いわよ…。」

祐介「…はい…。」

もはや、覚悟は出来ていた…。
それもそうだ…僕は課長が来てから褒められるような事を一つも出来てない…。
こうなれば…僕はもうクビになってもおかしくは無いと思う…。

薫「取り敢えず、今日は終わるまで残業よ? 良いわね?」

祐介「はい、分かりました…。」

妥当の…始末だ…。
だが…これで課長からの評価は最悪の方になったのは間違いないだろう…。

ヒソヒソ…。

「また…ここ最近、あいつ…課長に叱られてばかりだな…。」

「あぁ…課長も言い過ぎだと思うけど…あいつの学歴とか見りゃな…。」

「怖いね…本当に…やっぱり、社会に学歴なんて関係ないのね…。」

と小声で、僕と課長の話が飛ぶ…。
次第に僕自身も何か…おかしくなってきた…。

その夜…

カタカタカタカタカタ…。

祐介「…もう…ダメかもな…僕は…向いてないのかも…。」

社内で一人作業をする僕は、課長に言われた通り…書類の手直しをしていた。
寂しく…辛く…孤独感がひしひしと伝わる…社内での作業は僕の心を蝕んでいた。

カタカタカタカタカタ…。

祐介「ふぅっ…終わった…。」

と、ここでようやく書類の手直しが終わった。
時刻を確認すると…夜の10時を過ぎていた…。

祐介「あーあ…本当に僕ってダメだな…。 課長の足手まといにしかなってないや…。 そろそろ…辞めた方が良いかも…。」

僕はもはや…この会社に要らない存在なのかもしれないと思い始めた…。
それもその筈…深澤さんの前の課長さんは…人が良すぎる程の異常な優しさを持った人だからな…。
寧ろ、こんな緩急の付いた厳しさ…いや…あの課長が本来の…会社の課長なんだろう…。

祐介「僕は恵まれてたんだ…馬鹿だ…本当にゆとり過ぎる馬鹿野郎だ……。」

と、小言を言い続けながら…僕は退社の準備をし始めた。
準備が完了して…会社を後にすると…僕は、急いで家に帰った。

タッタッタッタッタッ…。

ガチャ…。

祐介「ハァ…疲れた…。 もう…しんどいや…。」

家に帰ると時刻は11時近くになってた。
僕は早めにシャワーを済ませたり、着替えして布団に入った。

祐介「あーぁ…明日、何て顔で会社に行けば良いんだろう…。」

僕は不安だった。
出来上がったやつだって、もしかしたら…またやり直しと言われるかもしれないし…。
そうなったら、もう…


祐介「おはようございます。」

会社に出社すると既に課長がいた。
どうせ…また…出勤の事で怒られるだろうと思ってしまう僕…。
もう…僕が気に食わないで怒られる可能性も出てきた…。

薫「浅川君。」

祐介「あっ、はいっ!! 今、持ってきます!!」

課長に呼ばれ、僕は真っ先に書類を持って課長の元へ。

パサッ

祐介「こちら…です…。」

薫「そう…。」

祐介「……。」

薫「まぁまぁね、戻っていいわ。」

祐介「はい…。」

褒める言葉も無かったが…叱られる言葉も無かった為、もはやこれで良いと思った。
もう…この人からの褒め言葉なんて期待は出来ない…。
だって…こういうのは…[当たり前]の事なんだから…!!

自分の机に戻った僕は、また再び仕事に…。
そして…その昼休み…。

先輩A「しかし、浅川も大変だな。 あの女課長怖いなー。」

祐介「いえ…これは自己責任ですよ。 [見直し]して無かった僕が原因ですから…。」

昼休み、僕は何人かの同僚や先輩の人達と一緒にご飯を食べていた。

先輩B「しかし、お前も良く頑張ったよな、夜10時まで残って作業してたんだろ?」

祐介「アハハ…でもそれが当たり前ですからね。 僕が蒔いた種ですし。」

と話していくと僕の同僚から耳を疑う言葉が…。

同僚「でもな…どうして浅川にだけあんな言葉を言ったんだ?」

祐介「えっ? どういう事?」

何と同僚から、課長は「僕にだけキツい言葉」と言われた…。
同僚の話を詳しく聞くと…。

同僚「いや、実はさ俺もミスして、課長に指摘されたけどな…。 普通に…『ここ間違ってるわよ』って言われただけなんだ。 だから…何で浅川にだけあんな怒鳴り散らしたのか…不思議に思ってな…。」

と言われたが…。

祐介「んー…でも、たまたま…じゃない? その日、まだ機嫌が良かっただけなのかもしれないよ?」

僕はあまり気にも止めずにその話を軽く流した。

同僚「もしかしたらだけどよ…浅川…お前…課長から目の敵にされてるかも知れんぞ…? 憂さ晴らしにお前を怒鳴り散らす事でストレス解消を…。」

祐介「そんなの…有るわけが…。」

だが…一概にも思い当たる事は幾つかある…。
実際、彼女は僕の名前や学歴まで知ってるし…。
それらを考えれば…否定も出来ない…。
この話で、僕は…段々と…課長に対して、不信を募らせる…。
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