ネット喫茶.com

オリジナル小説や二次創作、エッセイ等、自由に投稿できるサイトです。

メニュー

カロスの洞窟

原作: ポケットモンスター 作者: kokoro
目次

カセキといわタイプ

(あれっ、今ダイゴさんが説明してくれたポケモンて全部…いわタイプ…。)

そう、今ダイゴがハルカに教えたポケモンはすべて「いわタイプ」が入っている。

(ダイゴさん、本当にブレないな…)

ハルカは呆れるよりもむしろ感心する気持ちのほうが大きかった。チラリとダイゴの顔をみれば、まるで少年が宝物でも見つけたようなきらきらした瞳でポケモン図鑑を見つめている。

(ダイゴさんでも子どもみたいになるんだなぁ)

そんなことを考えながらダイゴの横顔を見ていると、ふと彼の少年のような瞳がハルカを捕らえた。

「ん?ハルカちゃん、どうかしたかい?」

自分の名を呼びながら優しく細められる瞳に、ハルカの心臓はドキッと跳ね上がった。しかしそれを悟られないように、至って平常心を保ちながら答えた。

「えっと、ダイゴさんは本当に石が好きなんだなと思って。」

「え?」

返ってきた答えが想像していたものとは違っていたのか、ダイゴはキョトンとした表情をした。

「だってダイゴさん、いわタイプのポケモンの話をするとき、すごく楽しそうだから。」

「ああ、それでか。」

ダイゴは納得したように頷いた。

「確かに、僕ははがねタイプに留まらず、いわタイプも同じくらい好きだけどね。でも、今僕が説明したアマルス達がいわタイプなのは、僕の石好きはあまり関係ないんだ。」

「え、そうなんですか?」

ハルカはそれこそ以外とでも言うかのように身を乗り出した。

「うん。今までにカセキから見つかっているポケモンは全て、いわタイプが入っているんだ。僕のユレイドルとプテラはもちろん、他にもプロトーガやオムナイト、カブトにアノプス、タテトプス、アーケンもみんないわタイプが入っている。」

「つまり、このポケモンが生きていた頃はいわタイプのポケモンばかりだったってことですか?」

ハルカの質問に、ダイゴは難しい表情をした。

「いや、実はそうとも言えないんだ。カセキから復元されたポケモンは一度石化している訳で、その影響でいわタイプが加わった可能性も否定できない。」

「それもそうですね…。でもいわタイプしか持ってないポケモンもいますし、大昔から生きていると言われているジーランスやマンムーもいわタイプが入ってますよね?」

ジーランスはここ、ホウエンの海でも見られる生きたカセキ。マンムーは暖かいホウエンでは見られないが、ハルカは以前テレビで見かけた際に興味が湧き、図鑑で調べてみたことがあるのだ。

「流石はハルカちゃんだ。ポケモンのことをよく知っているね。」

「たまたまですよ。それに私、いつかパパやオダマキ博士に負けないくらいポケモンに詳しくなりたいんです!」

「君ならいつか、ポケモン博士にもなれる。そんな気がするよ。」

いつか聞いたセリフのような言葉を、ハルカは懐かしいと同時に嬉しく思った。

「ポケモン博士になりたい訳ではないですけど…。でもいろんな地方に行って、沢山のポケモンと出会いたいな…。」

「なら、さっき君が言っていた輝きの洞窟や映し身の洞窟は良いチョイスだと思うよ。洞窟にしかいないポケモンは沢山いるし、僕が行けなかった輝きの洞窟にはガルーラやルナトーンなんかも生息しているらしいからね。」

ダイゴが話し終えると、今度はハルカが瞳を輝かせた。

「ガルーラ!私、図鑑で見て好きになったんです!機会があったらゲットしたいなって。見た目も好きですけど、かなり強そうですし!」

「確かに強いよ。ガルーラはメガシンカもできるポケモンだからね。バランスよく鍛えて育てれば、バトルにおいてかなりの戦力になってくれそうだ。」

ダイゴの説明を聞いて、ハルカはますますガルーラをゲットしたくなった。しかしカロスともなると日帰りは不可能。ましてや慣れない土地での長旅となると、流石のハルカでも不安のひとつやふたつくらいあるものだ。

「輝きの洞窟…。行くとなると旅行か旅として行くかのどちらかですよね。うーん、パパ許してくれるかな。」

「センリさんも、なかなか心配性なとこがあるからね。でもすぐに行くと決めなくても、ゆっくり考えればいいと思うよ。仮に旅として行くことになった時のために、今からもっとカロスのことを調べて詳しくなっておくとか。」

「それもそうですね。それに、私もまだまだホウエンでやりたいことが沢山ありますから!」

ハルカが意気込む傍らで、ダイゴは珍しくホッと息をついた。けれどそれをハルカに気づかれる前に口を開く。

「そのハルカちゃんのやりたいことって、どんなことなんだい?よかったら教えてほしいな。」

「気になりますか?」

コテンと子首を傾げ問われて、ダイゴはすかさずにこりと笑みを浮かべて返した。

「もちろん。初めて出会ったときから、君の未来がどんな風に紡がれていくのか、とても興味があってね。差し支えなければ教えてくれるかい?」

「そんなに大した目標とかじゃないです…。それに目標というよりも、ただ純粋にやりたいことってだけかもしれませんけど、まずひとつめは…」

つづく
目次

※会員登録するとコメントが書き込める様になります。